産前産後サポートや家事サポートなどを行う会社を経営し、父親(両親)学級などの講師として延べ1万8000人以上に講義をしてきた渡辺大地さん。自身も3人(小6、小3、5歳)の子どもを育てるパパです。本連載では、これまであまり語られてこなかった「パパたちの本音」について語ってもらいます。最終回となる今回は、パンデミックや子どもの進学、夫婦の仕事などの変化でストレスを抱え込まず、夫婦が協力し合うのに役立つ「夫婦ミーティング」についてです。

なぜ、「夫婦ミーティング」が、お互いの心の余裕につながるのか?

 子どものいる夫婦に「変化」はつきものです。コロナ下では、さらにこれまでの日常が大きく変わりました。そんな中、ストレスを抱え込まず、夫婦が協力し合える関係でいるためにはどうしたらいいでしょうか。

 僕ら夫婦の場合、定期的に2人で話し合う、夫婦ミーティングの時間が役立っています。「会議をしよう」と提案してきたのは妻でした。12年前、第1子の長男が生まれて僕らの生活は大きく変わりました。妻は1日中子どもの世話に追われ、僕は遅くまで残業する毎日。つかの間の妻との時間も、僕の意識は、妻ではなく子どもにばかり向いていました。そこで妻から、毎週テーマを決めて2人だけで話そうと言われたのです。

 最初のうちは、「会議もなにも、同じ家で暮らしているのだから好きな時に話せばいいのでは?」と思いました。でも、実はこれが意外と難しい。小さな子どもがいる夫婦の場合、あらかじめ時間とテーマを決めないと、なんとなく子どもの話をして終わってしまうことが多いからです。

相手の興味は、聞いてみないと分からない

 毎週日曜日の夜8時から1時間、夫婦ミーティングをすることにしました。テーマは「家事の分担」や「災害への備え」といったものから、「理想の一軒家の間取り」「結婚式を思い出してみる」まで、何でもありです。

 ですが、これによって、今、妻がどんなことに興味を持っているのか、今の生活をどう感じているのかを知ることができたと思っています。話し合う前に思っていたものとは、全然違うこともしばしば。結局3年間くらい続けましたが、もし、あの当時、夫婦ミーティングをしていなかったとしたら、お互いの価値観をすり合わせる機会を失ったまま気持ちもすれ違い、夫婦の間に溝ができていたのではないかと思います。