産前産後サポートや家事サポートなどを行う会社「アイナロハ」(埼玉県所沢市)を経営し、両親学級などの講師として累計1万5000人以上に講義をしている渡辺大地さん。自身も、3人の子どもを育てるパパです。本連載では、これまであまり語られてこなかった、「パパたちの本音」について、語ってもらいます。

仕事も家庭も、自粛の影響をもろに受けた

 新型コロナウイルスによる自粛期間中、皆さんはどう過ごされていましたか? 最近ではあいさつ代わりに聞かれるこの質問ですが、いつもぼくはこう返しています。

 「いやー、もろに影響を受けましたね」

 ぼくが代表を務めるアイナロハでは、産前産後のサポートや両親学級などの事業を行っていて、スタッフの多くはお子さんのいるお母さんです。今回の外出自粛では、そもそもスタッフのお子さんが通う学校や保育園が、休校・休園になり、スタッフを派遣する事業を提供することができませんでした。出産を控えて不安な時間を過ごしている方や、サポートを必要としている利用者には大変申し訳なかったと思っています。しかし、あらゆるリスクを考えると、そう判断せざるを得ませんでした。

 その間は、私もスタッフも、そして、同じ会社で働いている妻も自宅待機となりました。つまり、3歳、小2、小5の3人の子どもたちと共に、渡辺家は全員、24時間、100パーセント同じ自宅の中で過ごすことになったわけです。

 ここで、「よし! いつもはできなかった家族との時間を思いっきり過ごそう!」と切り替えられたらよかったのだと思います。ただ、ぼくの場合、それがなかなかできなかった……。なぜって、「父親は日中働いていないといけない」ということにとらわれていたからです。