新型コロナの感染拡大によって、今年の夏休みも遠出しづらい状況。こんな夏こそ、身近な公共図書館を親子で利用してみてはどうでしょう。公共図書館は涼しいだけでなく、自由研究や調べ学習、読書感想文といった夏休みの宿題に役立つ本や資料、コンテンツが豊富にそろう場所。子どもの「調べたいこと」が曖昧でも、司書に相談してみることで、興味の方向性を絞り込めたり、調べ方について教えてもらったりすることもできます。夏休みの学習に役立つ、公共図書館の徹底活用法を紹介します。

図書館のレファレンスサービスを活用

 自由研究や調べ学習、そして読書感想文……。夏休みの宿題をどう子どもに取り組ませるか頭を悩ませる時期です。ネット検索をすれば、夏休みの宿題に関するさまざまな情報があふれていますが、特に思い悩むのが自由研究や調べ学習で「何をテーマにするか」ではないでしょうか。子どもが興味のあること、好きなことをテーマにできればよいのですが、「何か興味のあることは?」と聞いて即答できる子どもなどそういません。また、テーマがすんなり決まったとしても、うまく調べることができるのか、など難問は続きます。

 そんなとき、活用できるのが地域の公立図書館です。

 公立図書館では本を借りられるだけでなく、本に関するイベントやレファレンスサービス、読書案内など利用者に向けてさまざまなサービスを行っています

 レファレンスサービスとは、調べたいことや探している本などに関する質問について、必要な資料や情報を案内するもの。図書館によって「調べもの」「調べもの相談」「調査相談」と名称が異なる場合もありますが、基本的にどの公共図書館でも行っています。

大阪市立中央図書館にある調べ学習コーナー
大阪市立中央図書館にある調べ学習コーナー

 質問内容を明確にしなければ! と身構える必要はありません。例えば、「虫のことが知りたい」といった曖昧な質問にも司書は対応してくれます。「利用者がどんなことを知りたいと思っているのかを把握するために、私たち司書はレファレンスインタビューを行います。子どもの場合、聞きたいことがはっきりしている子もいますが、もじもじしてなかなか言い出せない子もいます。そんなときは、いろいろと質問を重ねながら、子どもが求めていることを引き出し、絞り込んでいきます」と、大阪市立中央図書館利用サービス担当係長・窪田聡美さん。

 表現力が十分でない低学年でも、子どもの思いをうまく引き出し、何を知りたいのか、何を面白いと思うのか探るといいます。しかし、紹介された図鑑や本に満足できなかったり、「少し違う」と感じたりした場合にはどうすればいいのでしょうか。