図書館は、ただ本を貸し出すだけの場所ではなく、子どもの学びをサポートするための大切な役割を担っています。中でも、新学習指導要領に掲げられる「主体的・対話的で深い学び」の実現に、学校図書館の活用が期待されています。しかし私たち親は、その学校図書館の役割や内情をどこまで理解しているでしょうか。この連載では、子どもの学びを深めるための図書館の存在について考えていきます。

今回は、学校司書が東京都の小中学校でどのように配置されているかを、ライターの須藤みかさんが探ります。

図書館を生かせるかどうかは「学校司書」によるところが大きい

 学校の中にある図書館のことをあなたはどう呼びますか。

 建物として独立しているわけではなく、学校内の教室と同じ扱いだから学校図書「室」と思うでしょうか。校内にあったとしても学校図書「館」がしっくりくるでしょうか。実際のところ、学校によって、また教職員によっても呼び方はそれぞれのようです。

 どっちでもいいのでは? それって重要なこと? と思うかもしれません。しかし、単なる呼称の問題と片付けられないのは、学校における図書館の位置付けや活用度を映し出しているかもしれないからです。

 学校図書館法第三条には「学校には、学校図書館を設けなければならない」とありますが、その活用のされ方は、地域や学校によってさまざま。いつも開いていて子どもたちが通いつめるところもあれば、ほとんどカギのかかった状態の場所も。本が置いてあるだけ、本を貸すだけの場もあれば、それにとどまらず、子どもたちの「知りたい」に応えて、学びを支えるところもあるのです

 学校図書館に関わる専門職は、教諭として採用された「司書教諭」と、事務職員として採用された「学校司書」の2つです。いずれも専門の講習を受けています。司書教諭は12学級以上の学校への配置が義務付けられていますが、その多くが担任を持ち授業も行うため、時間をやりくりしながら図書館業務に携わっています。このため学校図書館を生かせるかどうかは、学校司書によるところが大きいのです。

 では、学校司書は学校にどのように配置されているのでしょうか。

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