共働きママ・パパには2つの顔がある。家庭では子育てしながら多様な商品やサービスを利用する消費者の顔を、社会ではさまざまなものやサービスの送り手としての顔を持つ。そんな共働きママ・パパに、公私の両面から役立つビジネストレンドを紹介する連載。

今回は、注目度が高まる「サブスクリプション」がテーマ。パパ視点から生まれた、共働きにうれしい2つの新ビジネスについて、前・後編でお届けする。

<(1)共働きに効くサブスク>
【前編】 定額で玩具レンタルや習い事体験 パパ視点サブスク←今回はココ
【後編】 共働きのサブスクは「○○のアウトソーシング」が鍵

「おもちゃは買うものじゃないでしょ! 借りるものでしょ!」
「習い事を1回の体験で決めるつもり? 何度か試してから入会するものでしょ!」

 こんなセリフが当たり前になる時代も遠くないかもしれない。

 商品やサービスを継続的に購入したり利用したりするビジネスは昔から存在していたが、「サブスクリプション」という名称で認知されてから、あらゆるジャンルにサブスク化の波が押し寄せている。サブスクリプションと一言で言っても、内容や仕組みは千差万別。今回登場する2つの新ビジネスに共通しているのは、創業者がどちらもパパで、自らが父親として悩んだ実体験から生まれたという点だ。悩みを解決する提案は、どの新ビジネスにも欠かせない要素だが、特にサブスクリプションモデルでは重要となる。

小さなピアノ教室は検索しても探せない

 「娘が年中のころ、ピアノを習わせたいと思いました。ところが検索すると大手の教室は上がって来ますが、個人の先生が開いているような小さな教室をなかなか探せなかったんです」。そう話すのはスクルー代表取締役の犬塚亮さん。小2と4歳の子どもを持つパパでもある。

スクルー代表取締役の犬塚亮さん

 「調べてみると、習い事の情報サイトは存在していましたが、月額なり、成約したら支払うなり手法はさまざまあれど、教室側が費用を負担していることが分かりました。大手は宣伝の予算をかけられますが、個人教室は余裕がない。なので、個人教室も含めてたくさん掲載されているサイトがなかった。子どものために偏りのない習い事情報が欲しかったのに、親目線で見て、その時点でいいサービスは存在しませんでした

 時間をかけて、いくつかの個人教室を見つけたものの、そこでもう1つの壁にぶつかった。「では一度体験レッスンしてみましょう、となりましたが、うちの子は引っ込み思案なタイプで、1回の体験だけでは本当に合うのかどうかが分からなかったのです」

 「周囲に聞いてみると、1回の体験で入会して入会金を支払い、道具もそろえたのに、すぐに辞めてしまったという悩みもよく耳にしました」。犬塚さんは当時、キーエンスの子会社のイプロスでBtoB商材のオンラインマッチングプラットフォームの企画部門責任者を担当していた。もともと起業意欲があった犬塚さんは、自身が感じた不満を、何とか新しいサービスに落とし込めないか思案した。

 また、犬塚さんはこんなもどかしさも感じていた。