志田さんが2015年から始めたのが、0~4歳までの知育玩具のサブスクリプションレンタルサービス「トイサブ!」。入会して月額3240円(関東・東北・東海・信越・中部・北陸が対象のエリアAの場合。エリアによって異なる)を支払うと、市場価格で総額1万5000円相当の知育玩具が4~6個入った箱が届けられる。60日たって、もう十分遊んだと思ったら返送する。すると次の箱が送られてくる。

 返却期限は設けていないが、返送しないと次は来ない。1つだけ気に入ってしまった場合は、それだけを手元に残せば、他は交換してもらえる。60日以上たって返送しないユーザーは1割程度だという。「普通のレンタルサービスは回転が命ですが、我々の場合、その間も月額費用はいただいているので問題ないです。玩具の総額は月額費用にすると5カ月分ぐらい。2カ月で交換する方が、ユーザーにとってはかなりお得です」

 サービス開始から話題を呼び、ユーザー数は約1800人(7月9日現在)。ここ1年ぐらい、共働きのユーザーが増えているという。

ユーザーの反応を見ながら試行錯誤、マイナーチェンジ

 現在は60日を1単位として「隔月」で交換するルールに落ち着いているが、ここに至るまでには紆余曲折(うよきょくせつ)があった。「毎月、45日、隔月、半年とトライしてみました。ユーザー満足度を見ると、毎月や45日では短すぎて返送へのプレッシャーがあることが分かりました。一方で半年では長すぎてユーザーにも我々にもあまり価値がない。満足度が高かった隔月サイクルに落ち着いた経緯があります」

 トイサブ!もスクルーも、サービスを走らせながら、ユーザーの反応を確かめては試行錯誤し、マイナーチェンジさせている。スクルーが体験チケットに有効期限を設けているのもそれが理由だと犬塚さんは話す。

 「もともと原価はかかっていないので、有効期限が切れることで我々が得することはありません。むしろデメリットが大きい。というのも、親側にはお金を無駄にしたという不満が残りますし、教室側には、体験レッスンを利用してもらえなかったという不満が残ります。我々が気にかけるべきはチケットの消化率で、ぜひ使い切ってほしい。ただ、サービスを常に改善するためにルールを短期間で変化させる可能性があるから、長い有効期限を設定するのは難しいという実情があります」

 後編では、引き続き2社のサブスクリプションモデルのメリットや今後の展開などについて聞く。

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取材・文/小林浩子(日経DUAL編集部) イメージ写真/PIXTA