北欧で子育て――と聞くと、どんなイメージがありますか。世界でも指折りの「幸せの国」として知られるデンマークで子育て中の、元新聞記者の井上陽子さんが「DUALな幸せのカタチ」を模索する連載。多様な価値観に触れつつ、ジグザグと迷いながら進んできたこれまでを振り返ります。今回は、デンマークで経験した不妊治療について語ります。
手厚いデンマークの不妊治療制度
北欧・デンマークの「ゆるい」子育て環境に加え、育児能力がめっきり高くなった夫のおかげで、比較的楽な子育てを経験した私。おかげで、自然と2人目も欲しいと思うようになった。しかし、いわゆる「2人目不妊」の状況に陥り、デンマークで不妊治療の世界に踏み込むことになる。
不妊治療は一通りの検査から始まって、タイミング法→人工授精→体外受精(IVF)とステップアップするのが一般的。デンマークではこのうち、人工授精までは全員が無料で受けられるという手厚さである。高額な注射など薬代は自費になるが、薬代も年間の支払い総額が増えるにつれて自己負担割合が減る仕組みなので、治療回数を重ねれば薬代がゼロになることも。
さらにIVFへと治療が進むと、一気に治療費が跳ね上がるのだが、それも全て公立病院にて無料で受けられる人もいる。対象はこんな人だ。
(2)同じ父親との間に子どもがいない(別の父親との子どもを希望する場合はOK)
という条件で、独身、レズビアンの女性も対象内。ただし希望者が多く、治療開始まで1年近く待つ必要があるため、その間に私立のクリニックで人工授精から始めるのが一般的だそうだ。
私の場合、不妊治療を始めた時にはすでに41歳で、夫との間に第1子もいるため、人工授精までは無料だが、IVFへと進むなら自費、ということになる。そこでまずは、私立のクリニックで一通りの検査をしたが、特に問題なし。無料ということもあって、早速、人工授精から始めてみることにした。

次ページから読める内容
- 「卵子ドナー」の提案に驚き
- 「後悔が怖い」という思いでスタートした
- 確率の低い不妊治療をやる意味とは
- 終わりを決めた、ベテラン医師の一言
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