北欧で子育て――と聞くと、どんなイメージがありますか。世界でも指折りの「幸せの国」として知られるデンマークで1児を育てる、元新聞記者の井上陽子さんが「DUALな幸せのカタチ」を模索する連載。多様な価値観に触れつつ、ジグザグと迷いながら進んできたこれまでを振り返ります。今回は、パートナー探しの重要さに気づいたものの、思うように進まず諦めかけた井上さんが、彼女にとっての「緊急ではないが重要」な課題にいかに取り組んだかをお届けします。

 連載1回目 で、大学院留学中に読んで衝撃を受けた論文について書いた。米国のキャリア女性が信じていた、「キャリアと家庭は、両方手に入れられる」というのは幻想である、という内容の論文である。そこに書いてあったアドバイスはずばり、「パートナー探しを喫緊の優先事項とすること」そして「35歳までに最初の子どもを出産すること」。

 頭では分かっている。努力もしている、つもり。

 でも結論から言うと、そんなに計画的に進めること、私には無理でした!

努力でパートナーは見つかるのか?

 パートナー探しを優先せよということで、まず考えたのは、書店で役に立ちそうな本を探してみることだった。しかし、この類いの本というのは、たいがいピンク系のカバーで装丁してあったりして、その一角は独特の雰囲気を醸し出している。ちょっと……居づらい。

 少し年上の女友達に誘われて、いわゆる婚活にトライしてみたこともある。ここでは年齢や容姿が勝負、女性の場合は年収や学歴は関係なし(男性の場合は大いに関係あり)というのが基本ルールのようで、なんか不利な戦いを強いられているな……という気はしたものの、1カ月間は“修行”としてやってみたりもした(この経験が後に役に立つのだが、そのときの私には知る由もなく、ただつらかった)。

 周囲のコメントも、さらに気分を萎えさせる。30代半ば以上の独身女性であれば、周囲から「こだわりが強過ぎるんじゃないの?」と一度は言われたことがあるのではなかろうか。

 私の場合も、頼んでもないのに、そのように分析されることがよくあった。真面目に答えるのも面倒なので「そんなにこだわってるつもり、ないんですけどね~」などと適当に受け流すのだが、この「こだわりが強過ぎる」というフレーズに、私はいつも違和感を抱いていた。

 結婚相手が自分の人生に与える影響は計り知れない。それほどのレベルで自分の人生を左右する選択って、結婚や出産と、仕事、あと、ほかに何かあります? そんな重要な決断なんだから、相手にこだわって当たり前じゃない? と、私はよく心の中で突っ込みを入れていた。

 それから、「卵子の老化問題」。

“修行”として婚活にもチャレンジした(写真はイメージ)
“修行”として婚活にもチャレンジした(写真はイメージ)