仕事の経験を家事や育児に生かし、家事や育児の経験を仕事に生かす。二兎(にと)を追って、二兎を得る好循環サイクルを生み出す秘訣を、各界で活躍する仕事のプロフェッショナルたちに聞く連載。第4回目にご登場いただくのは、公認会計士で企業向けのコンサルタントや研修講師としても活躍している神野(こうの)美穂さん。中学生と小学生の二人の娘さんを育てるママでもある神野さんに、会計士ママとして、子どもにどのようなマネー教育をしているのかを伺いました。お小遣いを与えるタイミング、お年玉の管理方法など、子どもの成長に合わせたマネー教育を行う意義について、前編と後編に分けてお伝えします。
<ママ会計士 神野美穂さんインタビュー>
【前編】 お年玉は全額子どもへ。会計士ママのマネー教育 ←今回はココ
【後編】 子どもの経済センスを高めるには 会計士ママの教育
使途不明金を出さないことをわが家では重視
日経DUAL編集部(以下、――) クリスマスやお正月など、冬休みは子どもにとっては、ワクワクするイベントがたくさんありましたね。神野さんは、お年玉を全額お子さんに渡すと聞いたのですが、なぜなのでしょうか?
神野美穂さん(以下、神野) わが家には、今、中学2年生と小学4年生の娘がいるのですが、ふたりとも四則計算ができるようになった小学3年生の頃から「お年玉はすべて自分で使っていい」というルールにしました。ただし、お友達とのお金の貸し借りやおごりは禁止というルールと共に、お小遣い帳をつけるという条件も与えています。それまでは、親が預かって子ども名義の銀行口座に入れていました。

―― なぜ四則計算ができるようになってからなのですか?
神野 四則計算はあくまで目安です。大事なのは、お小遣い帳を付けられるぐらいの年齢かどうか。何にいくら使ったか分からない状態は、振り返れないのでよくありません。「3万円を○○に全部使っちゃった」という履歴が残るのであれば、大人からしたら無駄に見えても、本人が好きなように使うこと自体は悪くないと考えています。
―― なるほど。金額よりも履歴を残すほうが重要なんですね。
神野 はい。お金の管理で大切なのは、何にいくら必要か見通しを立てることと、その振り返りができることです。今後、大人になって、稼いだお金をいつの間にか全部使ってしまうようでは困りますから。「何にいくら使ったか分からない状態」、つまり使途不明金を出さないことをわが家では重視して、娘たちには、そのためにお小遣い帳を付けるんだよ、と伝えています。
―― 使途不明金という単語が出るのが、公認会計士らしいですね。お子さんはどのようなお小遣い帳を使っているのでしょうか?
次ページから読める内容
- きょうだいの性格の違いがお小遣い帳にも表れる
- マネー教育は、赤ちゃん時代から始まっている
- 小学生にとっての3万円は、大人にとって300万円くらいの価値
- 「お金がないから工夫するんですね」
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