「わが家スラング」で妻との連帯感がアップ!

魚返 コピーライターだから言語化するのが好きって言うのはもちろんあると思うんですけど、もともと、そういうことを面白がるタイプの人間だったからコピーライターをやっているとも言えるかもしれません。要は鶏と卵の関係と言いますか。とはいえ、妻は別の業界で営業職をやっていますが、「わが家スラング」を一緒に作っていますし。思い返すと、結婚する前から、二人の間には共通言語が自然に生まれて、それらを面白がりながら使っていましたね。

――ちなみに、「わが家スラング」のような共通言語があることで、夫婦や家族の関係性にどんな効果がもたらされますか。

魚返 すごく大げさにいうと、共通言語を作っていくことは文化を作っていくのと近いと思うんです。つまり、魚返家にとって「わが家スラング」が増えていくということは、家族独自の文化が増えていくということ。その結果、夫婦の絆が深まっていく効果があるのではないかと……。

―― なるほど。夫婦間のチームビルディングに寄与していたということですね。

魚返 はい。結果的に夫婦の連帯感が高まっていったのは間違いないですね。

―― それはいいですね。夫婦で心から楽しみながら子育てをしている様子がうかがえます。子育てで夫婦の関係性が悪化する話をよく耳にするので、魚返家の例を参考にしたい読者は多そうです。そのほか、関係性を良くするために、何か心掛けていることはありますか。

魚返 そうですね。半年間、育児休業を取っていたときに感じたのは、「子育ては組み立て家具を一緒に作るみたいなものだ」と言うこと。組み立て家具を作るときって、二人でやれば仕事も半分になるし、話し相手がいるから楽しいですよね。子育てもそれと同じで、「二人で話しながら向き合えばつらい育児も楽しくなる」というのが僕の持論です。

―― 確かに、ワンオペ育児が辛いのは、体力的な負担感だけではなく、大人の会話ができないことにありますから、その言葉には納得です。