夏休みの宿題として、いろいろなポスター課題が出されている小学校もあります。絵を描くのが好きなお子さんでも、メッセージを込めた標語と絵をどうやって組み合わせるか、初めて取り組む場合は困ってしまうこともあるかもしれません。今回は、そんなポスター課題を、どうやって親子で取り組めばいいかを紹介します。子どもにアートの楽しさを伝える活動をしている画家の高橋彩さんに、3人の小学3年生を指導してもらい、ポスター課題の取り組み方について教えてもらいました。

(日経DUAL特選シリーズ/2019年8月収録記事を再掲載します)

 子どもが楽しみながらポスター課題に取り組めるようにするには、「親子のコミュニケーションツールにすること」と高橋さんは言います。

 「最も大切なのは、元気よく、のびのびと描くこと。子どもの考えを尊重しながら、テーマに沿った絵に仕上がるように、必要な助言をしながら、“見守る姿勢”が大切です」。

 では、ポスターの制作の手順とポイントを紹介します。

1.テーマは、子どもが楽しく描けるものを選ぶ

 「明るい選挙啓発ポスター」「あいさつ運動啓発」「交通安全」など、学校側から課題として提示されている中から、テーマを選びます。

 「子どもが楽しく書けそうなテーマを選ぶことが大事です」(高橋さん)。学校でテーマが指定されている場合は、それに従います。

自治体がコンクールを行っている「選挙ポスター」「あいさつポスター」「交通標語ポスター」などが学校指定の宿題になっている。
自治体がコンクールを行っている「選挙ポスター」「あいさつポスター」「交通標語ポスター」などが学校指定の宿題になっている。

2.標語をつくり、どんな絵を描くか決める

 ポスターが風景画や人物画と異なる点は、絵のほかに標語が必要なところ。テーマに合った絵と標語を考えます。標語が先でも、絵が先でもOK。子どもがやりやすいほうから考えていきます。

 この時点では、あいさつ運動ポスターであれば、あいさつをしている女の子+標語など、簡単なイメージを出すだけでOKです。

 「注意したいのは、絵の要素。低学年の場合、絵にするのは、『人物+α』など、要素は2つぐらいに絞ったほうが描きやすいです」(高橋さん)。

あいさつポスター、交通標語ポスターの文言やイラスト案を起こしている
あいさつポスター、交通標語ポスターの文言やイラスト案を起こしている
あいさつポスター、交通標語ポスターの文言やイラスト案を起こしている
チェックポイント
・描く絵の要素が多すぎないか?