コロナ下で働き方や暮らし方が大きく変わりました。それだけでなく、DX、多様化、グローバル化もますます進んでいくでしょう。子どもたちが社会に出る十数年後に、親世代の常識はどこまで通用するでしょうか。親はこうした変化にどう対応すればいいのでしょうか。この特集では「働き方」「キャリア教育」「ジェンダーバイアス」の3つの変化に注目し、「子育ての新常識」を探りました。

子育ての“常識の壁”を突き抜けろ!

 ベンチャーキャピタリストの江原ニーナさんの「起業や投資の世界に女性が少なすぎる」主張を基に、社会への影響について考えた前半に続き、後編では、ベンチャーキャピタリストとしての立場からジェンダー平等に取り組む江原さんの試みについて聞いていきます。最終ページでは、弁護士としてセクハラの問題に取り組み、子育ての中にあるジェンダーバイアスにも疑問の声をあげている太田啓子さんに、子どもにジェンダーバイアスを持たせないために、どのような子育てをしたらよいか聞きました。

【前編】「女性は数字に弱い」のバイアス 起業にジェンダーの壁
【後編】 親のジェンダーバイアスで子の可能性を狭めていないか ←今回はココ

江原ニーナさん
江原ニーナさん

投資家の男女比も改善を、と自社で女性を優先的に採用する方針に

日経DUAL編集部(以下、――) 江原さんはベンチャーキャピタルANRIのプロジェクトリーダーとして、ダイバーシティの観点から自社の採用や投資の活動方針を決め、推進しているそうですね。

江原ニーナさん(以下、敬称略) はい。自社の採用については、今春の時点で「女性を優先的に採用する」という方針を決め、現在、社員とインターンを含むメンバーの女性比率が30%になりました

 もともとベンチャーキャピタルは女性が非常に少ない業界なので、男性目線でのルールがベースになっている部分があり、投資対象にも、「成功してきた男性起業家」の姿を求めてしまう傾向があります。そうした中では、女性起業家がその人らしくいるだけで基準から逸脱してしまい、投資の対象から外れてしまいかねません。それを防ぐために、投資する側のジェンダーバランスも整える必要があると考えました。

 例えば、女性起業家の場合、多少エモーショナルな部分を見せてしまうと、「感情に左右されやすい」「ロジカルさに欠ける」などと過小評価されてしまう場合もあります。そうしたアンコンシャス・バイアスに関する勉強会も、社内で始めました。

―― 現在、ANRIが行っている投資のなかで、女性起業家への投資はどれくらいの割合を占めていますか。

江原 これまで130社への投資を行ってきたなかで、女性起業家への投資はわずか7社と、約5%にとどまっています。このままではいけないという思いから、弊社で運営しているファンドの1つについて、「新規投資完了までに女性起業家への投資を20%以上にする」という数値目標を設定しました

 ですが、数値目標を立てることに対し、社外からは「プロフェッショナルに反する」「逆差別だ」などのネガティブな意見もありました。

次ページから読める内容

  • 国際的な映画祭でもジェンダー平等の流れ
  • 「女性が東大なんて行ったら結婚できなくなるよ」
  • 男女の型にはめない。「与えない」ことも偏りを生む
  • 社会は変えられるというマインドを親子で持とう

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