男の子だから、女の子だから…という言葉を、無意識のうちに子育ての中で使っていませんか。もしかしたら、それは子育てに潜むアンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)のせいかもしれません。『女の子は本当にピンクが好きなのか』(河出文庫)の著者、堀越英美さんに、子育て中の日経DUAL編集Aと、1男1女を育てたライターBが疑問をぶつけました。前・中・後編の全3回に分けてお届けします。

前編のテーマは、子ども向けの「おもちゃ」に潜むアンコンシャス・バイアスについてです。

「女の子はこうあるべき」という固定観念の象徴?

A 堀越さんは著書の中で、女の子向けのおもちゃの変遷について解説しています。言われてみれば、今の女の子向けのおもちゃ売り場って、ピンクやラベンダーといったパステルカラーの世界ですよね。それがマーケティング的に売れる色なのでしょうが、あれを見ていると、やはりピンクは女の子の色なのか、そして男の子は青や黒なのか? と思ってしまいます。

堀越英美さん(以下、敬称略) 海外では以前から、おもちゃに男女差があることが問題視されてきました。男の子は建物や船を組み立てたり、冒険をモチーフにしたおもちゃで遊んだりしているのに、女の子のおもちゃは家の中で着飾ったり料理をしたりするものが多くて、これでは視野が広がらないと。その流れを受けて、以前は男の子ユーザーが圧倒的に多かったデンマークのレゴも、何度かの試行錯誤を経て、2010年代からは女の子を意識した「レゴフレンズ」を発売しています。

おもちゃを組み立てるのが好きな女の子も多い。画像はイメージ
おもちゃを組み立てるのが好きな女の子も多い。画像はイメージ

堀越 ただ、3歳から6歳くらいまでの女の子の多くは、洋の東西を問わず、やはりピンクに飛びつくようです。私も現在12歳と8歳の姉妹を育てていますが、長女は3歳を前にした頃からピンクにしか興味を示さなくなりました。レゴが売られているお店に連れて行くと、赤や黒の普通のレゴ売り場は素通りして、ピンクの「レゴフレンズ」コーナーに直行。他の色のものは自分のものだと思えないようなんですね。でも、私は娘に「女の子はピンク」なんて押しつけはしたことがなかったので、不思議でした。

B うちもでした。わが家の子は2つ違いの男女で、二人ともすでに成人しています。分け隔てなく育てたつもりなのに、長女はピンクやお姫様が好き、長男は乗り物や戦いが好きでピンクには見向きもしなかった。生まれつき、女の子と男の子の好みは違っていて、それが表れているのかなあ、と思っていました。でも、生まれつきであったとしてもこのまま放っておいていいのか? と、あの時期親としては悩みました。

堀越 そうですよね。男の子と女の子を社会が分断していて、その差がどんどん広がっちゃいそうに思えますよね。実際は、娘は6歳頃をすぎるとピンクを卒業していったので、そこまで心配する必要はなかったのですが……。

A うちは逆で、長女はピンクが大嫌いだったんです。青い服ばかり着たがるので、どうしてなのかと不安でした。ほかの女の子みたいに、人形などのかわいいものに興味を示さないことも心配でしたね。私自身は地味な色の服ばかり着ているのにも関わらず、娘には「『女子の世界』に行ったほうがいいんじゃないか」と思ってしまったんです。「女の子はこうあるべきだ」という思い込みが親の間にあるような気がします。

堀越 それは知らず知らずのうちに、私も口にしているように思います。

次ページから読める内容

  • 目の前の子にステレオタイプを押しつけない
  • 女の子は文系、という思い込みがおもちゃにも
  • 増えつつある女子向けSTEM玩具

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