「アンコンシャス・バイアス」(無意識の偏見)という言葉をテーマに社員研修を行う企業が増えています。その背景は何か、研修の中身とはどのようなものか。2017年から東京海上ホールディングスで行われている、アンコンシャス・バイアスをテーマにした研修を取材。「上」編となる今回は研修の内容を、「下」編では実際に研修を受けた課長職のインタビューをお届けします。

管理職103人を集めて丸1日がかりで研修

 東京海上ホールディンスは、2017年からグループ横断で「ダイバーシティ&インクルージョンフォーラム」を実施し、アンコンシャス・バイアスをテーマにした研修を取り入れている。昨年11月に丸1日かけて行われた研修では、全国のグループ会社から103人の部長職が参加。女性の姿は1割程度だった。

 当日はまず、小宮暁取締役社長が登壇し、ダイバーシティ&インクルージョンはグループにとっての成長戦略であり、最優先で取り組むべき課題だと強調。「ダイバーシティ&インクルージョンを進めていくには何が必要か、それを阻んでいるものは何かを考え、部店の経営に生かしてほしい」とメッセージを送った。

 ダイバーシティを推進する上で、最初に取り組むテーマを「女性活躍」に据える企業は多い。今回の研修では最初に、感性アナリストとして活躍する黒川伊保子さんが、男女の脳の違いを念頭に、「感性コミュニケーション~アンコンシャス・バイアスの正体」というテーマで講演を行った。

男女の違いについて話した黒川伊保子さんの講演
男女の違いについて話した黒川伊保子さんの講演

 「違いを知り、認めること」は、アンコンシャス・バイアスを考える上で重要なカギになる。一般的なアンコンシャス・バイアスのイメージは、「女性だから」といったバイアスから相手を低く評価するといったもの。しかし、本当のアンコンシャス・バイアスは、自分とは違う感性の持ち主を間違っていると感じ、正しく評価できないことだという。「人は感性に洗脳されていて、自分の感性が世界の正義と思いがちです。しかし、その呪縛を超えて分かり合うことが大事です」と、黒川さん。

 まずは、男女の脳やコミュニケーションに違いがあることを意識する。黒川さんによると、男女で脳の機能に違いはないが、とっさに使う感性の選択が違い、男性は「問題解決型」、女性は「共感型」の傾向が強いという。

次ページから読める内容

  • 男女の脳の違いと、それぞれに適した接し方を知る
  • リーダーができることの中には「共感」「傾聴」も
  • アンコンシャス・バイアスが多様性推進を阻害

続きは、日経xwoman登録会員の方がご覧いただけます

ログインはこちら
もっと見る