資格取得、転職、独立など、子育てをしながらも「キャリア自立」へと一歩踏み出した人たちへインタビューするこの連載。今回登場するのは、育休中に北海道に移住したのを機に、起業を決断したママです。前編に続き、今回は移住後、起業までの道のりを聞きました。

萩原美緒さん
コロッケ代表

クックパッドでコーポレートブランディング、採用責任者、海外事業部のオペレーションを歴任。第2子育休中の2016年10月に札幌市へ移住。「北海道の生産者と一緒に仕事がしたい」という思いから18年11月に退職。19年2月、食品製造販売会社のコロッケを設立。子どもが夕食を楽しく待つことができる、北海道産素材を使った無添加の食前アイス「Pocco」を20年7月に発売。

萩原美緒さんの「キャリア自立」のポイント
○ 前例にとらわれず、自分のやりたいことを実行する
○ ユーザーに提供したい「体験」を徹底的に考え抜く
○ 常に誠実に働くことで新しい道を開く

共働きの「夕食前の課題」を解決したい

日経DUAL編集部(以下、――) 萩原さんはクックパッドを退職した後、19年2月にコロッケを設立しました。起業してからは、どのように事業を展開したのでしょうか?

萩原美緒さん(以下、敬称略) まずはユーザーにどういう体験を提供したいのかを時間をかけて考えました。前職のクックパッドはどの部署においても、「何が課題で、それをどう解決するか」を徹底的に考える会社ですので、その経験が生きました。

 考えた結果行き着いたのは、「働く親の悩みの解決」でした。その中でも、仕事から帰ってバタバタと夕食作りをする間、おなかを空かせた子どもをどうやって不機嫌にさせずに、夕食を待ってもらうかという悩みの解消に注目しました。

 私自身、夕食前に子どもが騒ぐとお菓子をあげてしまって「子どもの健康に良くない」と罪悪感を抱いたり、子どもがお菓子でおなかがいっぱいになってご飯を食べることができなくなってしまったりしたこともあります。食前でも子どもに罪悪感なく与えられ、悩みを解決してくれるおやつを作りたいと思いました。

―― 共働きの親の多くが悩む問題ですね。

萩原 候補として、野菜チップスなどいくつかのお菓子を試して検証を繰り返しました。最終的に、風味の豊かなフルーツや野菜を使うことで、少量でも満足感を得られることが分かり、それを使用して子どもが喜んで食べてくれるアイスを作ることに決めました。

次ページから読める内容

  • 常温配送でユーザーの手間を省く
  • 働く親から予想以上の需要 コロナの影響も

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