リーダーは大義を伝える役割がある

廣瀬 「このチームはなぜ存在するのか」をメンバーみんなで考え、共有できているチームは強い。だからこそ、組織のリーダーは、その大義を言葉でメンバーに語れないといけないのだと思います。

 僕自身は、チームや組織だけでなく、自分が何かを成し遂げようとするとき、必ず「何のためにこれをやるのか」というところに立ち戻って考えるようにしています。「何のためにやるのか」という大義や目的があるから、手段として「何をすべきか」に落とし込める。これは、生きていく基本だと思っています。

―― ほかにチームづくりで心がけてきたことは?

廣瀬 人の話をよく聞く。これは意識してやっているわけではありませんが、習慣みたいなものかな。人の話からものすごくたくさんのことを吸収させてもらった結果、今の自分があるのは確かです。

―― チームとしての「大義」を言語化して伝え、共有し、メンバーの話をよく聞く。組織のマネジメントとして大切なことだと思いますが、それを自然に実践してきた廣瀬さんの姿勢は、どうやって育んだのでしょうか。

廣瀬 親から受けた影響は大きいと思います。母親は僕を子ども扱いせず、人間と人間との付き合いをしてくれました。何かを強制されたり、頭ごなしに否定されたりすることはなくて、僕の意見をいったん受け入れた上で、自分の考えを話してくれた。そして、最後は自分で決めなさい、と。これが僕のラグビーのプレースタイルに大きく影響しています。人生において、自分がどうしていきたいのかを自分で考える習慣が身に付いたのも、母親のおかげだと思います。

 母はピアノの先生だったんですけれど、自宅でレッスンをしている姿、小さなホールを借りて発表会を開いている姿、よく覚えています。自分の好きなことをして楽しむその姿を、子ども心にかっこいいなあと思っていたような気がします。

 父親には幼い頃、公園で弟と一緒にラグビーをして遊んでもらいました。ああ、やっぱり強烈な影響を受けていますね。