子育てをしながら、仕事のキャリアも磨く。昨今、こうした前向きな姿勢のパパ・ママが増えています。人生100年時代といわれる今、「一生働くためのスキル」を身に付け、DUAL世代が子育ても仕事も充実させるにはどうすればいいでしょうか。この連載では、資格取得、転職、独立など、子育てをしながらも一歩踏み出した人へインタビューを行っています。

3回目の今回は、子どもの誕生をきっかけに新たな資格を取得し、42歳で転職したシステムエンジニアのパパが登場。夫婦でスキルアップした秘訣や、転職を成功させるための棚卸し術などを語ってもらいました。

上遠野貴洋さん
LAVA International
経営企画部 システムグループ インフラチーム チームリーダー

42歳、2歳の女の子のパパ。2017年、子どもが1歳のときにキャリアコンサルタントの資格を取得し、2018年にホットヨガスタジオLAVAの運営などを手がけるLAVA Internationalに転職。現在はインフラチームで、サーバーやネットワークの管理、システム全体のコスト適正化や安定化を担う。

上遠野さんの「キャリア自立」のポイント
○ 60代以降を見据え資格でスキルをプラス
○ 「スキルの棚卸し」で転職に成功
○ 夫婦で協力してスキルアップ

働きながらの資格取得で「できること」を増やす

日経DUAL編集部(以下、――) 上遠野さんは40歳のときにお子さんが生まれ、現在は2歳の女の子を育てるパパですね。資格を取得したとのことですが、どんな思いで行動に移したのでしょうか。

上遠野貴洋さん(以下敬称略) 2年前、娘が生まれたタイミングで、「今のシステムエンジニア(以下SE)のスキルだけではいけないな」という気持ちが芽生えたのが起点ですね。子どもの誕生がきっかけで、将来を見据えるスパンが、20年先、30年先へとグッと伸びました。ただ、この頃はまだ転職を考えていなくて、当時の職場のなかで、できることの幅を広げたいという思いでした。

 ちょうどその頃、当時の職場で管理職になるための研修を受けていて、その流れでキャリアコンサルタントの資格を取ってみようと決意しました。キャリアコンサルタントの資格があれば若手エンジニアのキャリアマップを作るサポートができ、私生活でも子どもの将来設計のアドバイスに生かせるな、と思ったからです。娘が生まれて間もなくキャリアコンサルタントの勉強を始め、およそ1年後に合格しました。

―― SEの仕事とキャリアコンサルタントの資格は、一見関係なさそうに思えます。SEのスキルだけで、50代、60代へ進むのは難しいのですか。