資格取得、転職、独立など、子育てをしながらも「キャリア自立」へと一歩踏み出した人たちへインタビューするこの連載。今回登場するのは、新卒で入社した外資系の金融機関を退職後、全く経験の無かったIT関連の会社を立ち上げたママです。前編「元外資系金融ママ 起業しママ友アプリ開発したわけ」に続き、後編では起業から現在に至るまでの道のりを聞きました。

カーティス裕子さん
MAMATALK 代表取締役

慶応義塾大学卒業後、2012年ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメント入社。債券通貨運用部でプロダクトマネジャーを務める。15年からニューヨーク本社勤務。17年に第1子出産後に産休を東京で過ごし、日本でのママ友づくりの難しさを実感した。18年夏に退職しMAMATALK を設立。19年10月に日本初のママ友マッチングアプリ「MAMATALK」をリリース。ママの間で話題を呼び、累計マッチング数で15万件 (2021年2月時点)を達成。掲示板機能やお出かけスポット機能など随時アップデートしている。

カーティス裕子さんの「キャリア自立」のポイント
○ 足踏みせず、行動を開始
○ 「自分の好きなことを仕事にする」という理想を持つ

0歳児を抱え、日米を往復し起業準備

日経DUAL編集部(以下、――) 起業に対して、家族の反応はどうでしたか?

カーティス裕子さん(以下、敬称略) 夫は私の起業を応援してくれています。私がやりがいを感じられる仕事に出合えてハッピーなのであれば、会社員を続けようが起業しようがサポートしてくれると思います。子どもの学校のことを考えると、未就学児のほうが子連れで日米を行き来しやすいので、今のうちにできる限り事業を軌道に乗せておいた方がいいと、私も夫も考えています。

―― 育児をしながら、どのように起業準備を進めたのでしょうか?

カーティス裕子 夫はニューヨークで仕事をしているので、私が1人で半年ごとくらいに子どもを連れて日本に帰国していました。アメリカにいながら日本帰国時に息子を預けられる保育園を探すのが少し大変でしたね。

 母に申請書類を用意してもらったり、実家の近所で偶然仲良くなったママ友に「私が子どもを通わせている保育園に空きがあるから第1志望にするといいよ」と教えてもらったりして、何とか入園できました。ママ友には、役立つ情報をたくさん教えてもらうことができて本当に助けられました。最新のローカルな情報ってネットにはなかなか載っていなくて、ママ友から直接聞ける口コミや情報は素早く信頼できるので、子どもの月齢の近いママ友の存在はとても大きかったです。

―― アプリの開発はどのように進めましたか?

カーティス裕子 私はエンジニアではないので、自分でプログラミングをすることはできません。そのため、エンジニアを探すことから始めました。人件費が安いという理由で、海外のクラウドソーシングのウェブサイトで募集しました。

 当初はクラウドソーシングで見つけた東欧のアプリ開発会社と契約しました。英語でのコミュニケーションには支障はなかったものの、時差が大きかったためスピード感を持って進めることができませんでした。3、4カ月ほどでアプリを完成させることも可能だと聞いているのですが、思うように進められなくてすごくフラストレーションがたまりました。

 途中から日本人のエンジニアを見つけて移行したので、そのあとはコミュニケーションがスムーズになり、なんとか完成にこぎ着けました。

―― プログラミングの知識がないとのことですが、開発中はどうやって修正の指示や要望を伝えましたか?

カーティス裕子 OJTのようにエンジニアに教えてもらいながら開発を進めていました。それは今でも同じです。私はカスタマーサービスも担当しているのですが、「ユーザーからのフィードバックを反映したい」「私自身がユーザー目線でほしい」などと思った機能を「こういうUI(ユーザーインターフェース)がいい」と伝えて、エンジニアと細かくコミュニケーションを取りながら進めています。

次ページから読める内容

  • コロナ下でママ友アプリの需要が増加
  • 保育園や病院の評判、習い事の情報交換も

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