数十年かけて進んだBBCのダイバーシティー

 例えば、マネジャーの半分は女性にする、というのもその一つ。テレビ画面に出る記者も、数十年前までは白人男性ばかりでしたが、今ご覧いただけば、女性はもちろん、さまざまな人種や肌の色、宗教やセクシュアリティ、そして障害を持つレポーターが登場します

 昨年は、1人の男性キャスターが声を上げたことをきっかけに、テレビ画面に登場するゲスト数も男女50:50にしようという目標を掲げ、1年後の4月に、実際にその目標を達成できたかどうかまで公に発表しました。

 まだまだ、すべてが平等なわけではありません。ニュースでも取り上げられたのでご存じの方も多いかと思いますが、例えば男女の賃金格差は、今まさに女性社員が戦っているバトルです。

 何十年もかけて、女性も男性と対等に戦地や危険地帯からでも報道ができる、ということを証明してきてくれた先輩記者たち。彼女たちのおかげで、私たち世代のママ記者が、育児との両立を当然の権利として主張できるようになりました。

 日本でも、政府が「女性活躍推進」を政策として掲げたのは、いい転機になりえると思います。

 でも同時に、「仕事復帰=活躍」とする文脈には抵抗があります