6月1日までサーキットブレーカー(外出制限)が続くシンガポール。BBCのシンガポール支局でキャスター・リポーターを務め、未就学児2人を育てる大井真理子さんは、オンライン教材などを活用しつつ乗り切っていると言います。休園期間の過ごし方をリポートします。

在宅勤務の週は有休を取ってママ先生に専念

“I am not stuck at home, I am safe at home.”

 8週間にわたる外出制限の間、励まされ続けている、娘の宿題に載っていた言葉です。

 新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐためにシンガポールで4月7日に発動された「サーキットブレーカー」。当初は4週間の予定でしたが、特に外国人労働者の中で感染者数が急増し、6月1日までに延長されました。ロックダウン=都市封鎖ではないものの、学校はもちろん、職場の大半も閉鎖され、食料の買い出しも、散歩などのエクササイズも、家族とではなく一人で行くよう言われています。違反した場合は、罰金、または禁固刑の可能性もあるとても厳格な外出制限です。

 共働き家庭が多いシンガポールでは、親の在宅勤務が指示され、子どもたちの家庭学習の土台ができた翌日に、休校・休園が実施されました。

5歳の長女・美空(みく)の宿題に書かれていた言葉に励まされた
5歳の長女・美空(みく)の宿題に書かれていた言葉に励まされた

 コロナウイルス感染拡大を防ぐため、BBCのシンガポール支局では3月中旬からテレビチームを2つに分け、1週おきの在宅勤務を開始。サーキットブレーカーが発動されてからも、報道は「エッセンシャルワーカー(生活に必要な職業)」というカテゴリーに当たるため、私は1週おきに出勤しキャスター業を担当していますが、5歳と2歳の子どもたち、そして夫も丸8週間、ほぼ外出なし。

 でも学校が閉鎖されていても、宿題はたくさん出るのが、さすが教育国家シンガポール。わが家の子どもたちも、保育園(私たちは学校と呼んでいます)への登校最終日に、大量の英語、中国語、算数、アートなどの宿題を持って帰ってきました

 私はその量を見た瞬間にドヨーンとなっていましたが、幸いなことに夫が「パパ先生」役を張り切り、初日はネクタイまでする気合いの入り方。

 夫は英語と算数、そして得意なアートを担当。その様子を見ていて、英語の授業に負けていられない!と思い、私も在宅勤務の週は、使いきれていなかった有給をとって「ママ先生」業に専念しています。