こまめな確認で「ドンデン返し」の痛手を最小限に

 発言が変わる上司には、「念押し」と「確認」を繰り返して対応するのがいいと柴田さん。

 「上司の発言や指示に対し、『これは〇〇ですね?』とおうむ返しで念押ししたり、『さっき△△さんから指示を受けた○○の件ですが~』などと、誰の指示により行っているのかを明確にしておきましょう。念押しと確認を繰り返すことで、上司も適当な発言がしづらくなるはずです。追及するような口調ではなく、穏やかに感情を抑えて話すことを心がけましょう」

 指示を受けた内容をまとめ直して、上司や同じ業務を担当する同僚にメールで送り、指示の内容を共有してコンセンサスをとっておくのもおすすめ。作業の途中にこまめに進捗報告をして、「ここまでの進行をまとめておきました。よろしければどうぞ」と、メモやメールで情報共有しておくのもいい。

 コロコロと発言が変わる上司の場合、指示したことを忘れている可能性もある。「こうしたフォローを心がけることで、自分のスキルアップにもつなげることができれば一石二鳥です」

 とはいえ、明らかな悪意があるケースや、パワハラ気味な上司に対しては、毅然とした対応も必要。「言った・言わないの水掛け論を防ぐため、上司との打ち合わせの後にその内容をまとめたメールを送って確認を求めておくのが有効ですが、確認された内容についても頻繁に食い違うようであれば、上司の上司や人事などの担当窓口に相談しましょう」

組織のリーダー育成に詳しい柴田励司さん
組織のリーダー育成に詳しい柴田励司さん