育児を抱える部下に理解を示し、両立のための環境整備に努める「イクボス」と呼ばれるリーダーが増えています。一方で、ムダな資料作りや会議で部下に余計な仕事をさせ、現場を疲弊させる「ブラック上司」に悩まされている人も少なくありません。この連載では、ブラック上司に出会った場合の対処法や、自分自身が「ブラック上司化」しないためにはどうすればいいかを、識者への取材や、企業への取材などを通じて考えていきます。

66%が「ブラック上司に出会った経験あり」

 目的がはっきりしない資料作りや会議、深夜や休日に送られてくるメール……。パワハラ上司とまではいかないが、部下を振り回す迷惑な「ブラック上司」に出会ったことはないだろうか。日経DUALが実施したアンケートでは、回答者の実に66%が「ブラック上司に出会ったことがある」と答えた*。その一例を紹介すると――。

ブラック上司の例1:勤務時間外のメール送信

「勤務時間外のメールは社内で禁止になっているのに、退社後に部署の全員にメールを送り、『翌朝は早く出社して、研修に使う資料を各自印刷しておくように』と命じてきた上司。なぜもっと早く指示を出さないのか?とモヤモヤした」(41歳・女性・市場調査・専門職)

ブラック上司の例2:ムダに長い会議や打ち合わせ

「月例会議の冒頭で1時間話すのは恒例。終業時刻を過ぎても部下を自分の机の前に呼びつけて1時間くらい話している。方針説明や指導ではなく、内容のほとんどが根性論や、自分がいかに頑張ったかの自慢話なので、役に立たない」(49歳・女性・製造業・マーケティング)

ブラック上司の例3:時短勤務者への理解不足

「私が時短勤務ということが分かっているはずなのに、業務終了の少し前に仕事を振ってきて、いつまでにできるかを宣言させられる。処理しきれないので、家でこっそり仕事をしていると『遅くまで仕事をしてはいけない』と言われる。業務量がオーバーしているのだが、上司からのフォローは一切なし」(49歳・女性・情報・調査)

 これらの上司にはいずれも、「部下の時間を奪っている」という共通点がある。この「時間を奪う上司」こそが、子育てで多忙なDUAL世代にとって最もつらい相手だ。どのように対処すればいいのだろうか。

休日・深夜にメールを送ってくるブラック上司も