緊急のメール以外はスルーする選択肢も

 柴田さんによれば、ブラック上司の代表的な行動が、休日や深夜などの「勤務時間外のメール送信」だという。最近では多くの企業で、自宅や外出先でもリアルタイムでメールをチェックできる環境が整いつつある。「上司は『翌日や週明けに読んでもらえばいい』というつもりで送っているのかもしれないが、優秀な部下であるほど『夜間や休日もメールをチェックし、来たら即レスをしなければ』と身構えてしまい、常に拘束されているような気分になるのです」

 迷惑な行動ではあるものの、真正面から抗議をすると角が立つ。どう対応するのが有効なのだろうか?

 「休日のメールは部下の時間を奪うブラック行動だということを、さりげなく気付かせるためには、『緊急性を問うこと』が有効です。明らかに緊急なメールの場合はすぐに返信すべきですが、それ以外のメールに対しては、あえて返信しないか、余裕があれば『すみません、こちらの案件ですが、緊急でしたでしょうか?』と返信してみる。それを何度か繰り返すことにより、『緊急性がないのに深夜や休日にメールすることは非常識な行為』だとにおわせることができます」

 また、あらかじめ「すみませんが、夜間や休日のメールはチェックできません」と伝えておき、「急には対応できませんので、次回からもう少し早くご指示いただけると、より的確に対処できると思います」などと、上司に対して改善策を提案してみるのも手だ。

 すでに管理職や現場のリーダーとして働く人は、「もしも休日や深夜にメールを送りたくなったら、緊急案件以外は下書きだけを保存するに留めて、送信ボタンを押すのは翌日や週明けの出勤後にするといいでしょう。それだけで、部下に余計なストレスを与えずに済みますよ」と、柴田さんはアドバイスする。

次世代リーダーの育成などを手掛ける柴田励司さん