子育て中の上司もブラック化する可能性はある

 「子どもの送り迎えなどで忙しい子育て中の社員は、時間の使い方に関して特にセンシティブにならざるを得ません。ところが、それに気付かない無神経さから、部下に余計な仕事をさせたり、ダラダラ拘束したりして、貴重な時間を奪ってしまう上司は少なくない。当人にブラック行動の自覚がないだけに厄介です」。そう指摘するのは、マーサージャパンやカルチュア・コンビニエンス・クラブなど数々の企業の経営に携わり、リーダー育成に詳しいIndigo Blue代表取締役の柴田励司さんだ。

 ブラック化する傾向は、昇進が早い上司に多く見られるという。「仕事に対する優先順位が高く、率先して休日出勤や深夜残業をし、そんな自分の基準を他の人にも押し付けてしまいがちです。また、たとえ上司が同じ子育て世代の場合でも、理解されるとは限りません。『子育ての主役は母親で、父親はヘルプ』といった考え方を持つ上司だと、特に男性の部下に対して、育児より仕事を優先するのが当たり前、といった考えを押し付けてくる可能性があります

 以下は、「時間を奪う上司」の行動の例をリスト化したもの。あなたの上司など、身近な人を思い浮かべてチェックしてみてほしい。ひとつでも当てはまったら、ブラック上司の可能性がある。すでに管理職の人は、自分自身の行動を振り返ってチェックしてみよう。

あなたの身近にも?「時間を奪うブラック上司」の行動

□深夜や休日に「確認したい点があるんだけど……」とメールを送ってくる
□平日に送ったメールの返事を、週末になってまとめて返してくる
□指示が1度で終わらず、途中でどんどん注文を追加してくる
□「ちょっといい?」と部下に声を掛け、30分以上拘束する
□目的がはっきりしない会議に同席させる
□PC操作などをヘルプデスクのように聞いてくる
□事前説明もなく、その日の夜の会食に同席させようとする
□率先して休日出勤をしている

柴田さんの著書『もしかしてブラック上司?』(ぱる出版)をもとに編集部で作成