会社に行って、子どもを生かしてるだけでエライ!

 もちろん、なかには自然体で完璧にできるママもいるし、そういう人を責めたいわけじゃ決してありません。いろいろな人がいていいと思うんです。いっそのこと、もっとママ同士で、ダメダメな日常を告白し合うのはどうでしょうか。完璧に見えるママに、「実は家の中ぐちゃぐちゃなの」と言われたらほっとしませんか。

 「ベストマザー賞」というアワードがありますよね。皆さん美しい格好で表彰式に出られますが、万が一私が選ばれたら、表彰式にパジャマで駆け付けますよ。寝ぐせでボサボサの頭で、子ども抱いてボーッとしながら「さっき起きました……すみません……」って。だってそれがリアルだから。たまにはそういうお母さんがメディアに出てもいいんじゃないですかね。その瞬間、確実に誰かがラクになると思うんです。

 だから、私のように2つのことを同時にできないタイプの人は、跳ぶハードルを思いっきり引き下げちゃえばいい。会社に行ってるだけでエラい。子どもを生かしてるだけでエラい。ハードルを地面まで下げて、一歩一歩地面を進むお母さんがいたっていいんじゃないかなあ。

構成/平林理恵 写真/洞澤佐智子