自分のストレス源を把握し、頼れる人を作る

―― 上司にも部下にも、「NO」を重く捉え過ぎない意識が必要になるのですね。日本人はどうしても「NO」を伝えるのが苦手でギリギリまで我慢してしまう人が多い気がします。

 「ギリギリまで我慢していると『なんで分かってくれないの?』と思ってしまうのではないでしょうか。これからのジョブ型では従来の家族・仲間的なメンバーシップ型よりも、相手に伝えることを意識しないと伝わりません。そのため、裁量権が少ない立場の人は、少し早めに『NO』を言えるようになることが大切でしょう。

 僕は産業医として、メンタル不調の方と多くお会いするのですが、最後の復職面談で『これから再発しないためには何が必要だと思いますか?』と聞くと、8割が『一人で抱え込まないこと』と答えます。つまり、誰にも相談せずに、一人で抱え込むことがメンタル不調を引き起こす大きな原因ということです。無理だと思ったら早めに無理だと伝えることが非常に重要になってきます」

 「育児においても同じだと思います。自分に裁量権がなく、なおかつ拘束時間が長いとイライラしがちです。その状態を一人で抱え込むとストレス度が非常に高くなります。周りに相談できる人や頼れる人を作っておくことと、自身が何でストレスを感じやすいのかを知っておくのが仕事においても育児においても大切になるでしょう」