はっきりNOを言える環境が大事

 「今までの日本の多くの男性社会では、できなくてもとりあえず『イエス』と答えて、徹夜してなんとかするといったことが主流でした。ですが、そういった体育会的なやり方は、これからは難しくなるでしょう。子どもがいる人は特に、時間のキャップ(上限)が決まっていますからね。できないことは『できません。なぜならこういう理由があるからです』とはっきりと伝えるコミュニケーションが必要になってきます。

 これが難しいのは、部下から『NO』を言われた時に、自分の人格を否定された気になる上司が多いからだと思います。今後は、会社のあり方としてメンバーシップ型からジョブ型への移行が進みます。ジョブ型に転換する以上は、人格と事実を分けることが必要になります。

 マッキンゼー・アンド・カンパニーなどでは、上司も部下もお互いの課題を徹底的に伝え合うそうです。なぜこれをするのかというと、人は訓練をしないと人格と課題を分離して考えるのが難しいからです。この先の日本では、部下側にも『NO』を論理的に説明する能力が求められていくでしょうし、上司は部下からの『NO』を強く捉え過ぎないようにトレーニングをすることが求められると思います」