今年4月に成立した働き方改革関連法案には「産業医の機能強化」という項目があります。30社以上の企業で産業医を務めている大室正志さんに、企業の担い手である企業人の健康術や、会社の働き方改革について聞く連載がスタートします。

「働き方改革」はメンバーシップ型からジョブ型への働き方の移行

―― 2019年4月から、順次「働き方改革関連法」が施行されました。「働き方改革」はそもそも、どういう意図があるのでしょうか。

 「日本には、『メンバーシップ型』と『ジョブ型』という2つの働き方があります。今までの日本の会社は、メンバーシップ型と呼ばれる形態の雇用が多かったんですね。メンバーシップ型とは、簡単に言うと、新卒一括採用で学部関係無く、『僕らの会社の仲間になってくれ』という、学部や専門性よりもカルチャーフィットを重視する形です。一方で、採用の際に『会計の知識があって、〇〇が出来る人』などのように、まず仕事がそこにあって、そこに人を当てはめていくというのがジョブ型です。外資系企業に多い雇用形態です。

 このジョブ型というのは、仕事の切り分けが簡単なのですが、日本は元々『同じ釜の飯を食ったか』という感覚が強く、『仲間』として働いていたので、どこからどこで仕事を切り分けるということをあまりしていませんでした。ただ、女性が出産後に職場に復帰するのが当たり前のようになってきたことや、病気を治療しながらも働き続けたいという方々が増えてきているようなことなど、労働人口が減っていく時代に合わせて、働き方のフレキシビリティが求められるようになってきました。

 メンバーシップ型とジョブ型、どちらも一長一短あるのですが、フレキシビリティが求められるようになった今、メンバーシップ型から、個人個人に仕事を分解しやすいジョブ型に移行していく流れは不可避でしょう。そうしてフレキシビリティが増す一方で、健康管理がおざなりになってしまうことが懸念されています。自分の健康管理はしっかりと自分でしなければならない時代において、産業医の活用法を知っていただけたらと思います」

写真はイメージです
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次ページから読める内容

  • 産業医は病気の治癒ではなく「働けるか」を判断する
  • 段ボールを置きっ放しにすると風邪をひきやすくなる?
  • なぜ産業医が健康診断の結果をチェックするのか?

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