子どもが大人になったとき、幸せな人生を過ごしてほしいと誰もが願うでしょう。中でも「仕事」は人生を大きく左右する要素です。高い壁にぶつかったとき、大きな挫折を味わったとき、どうやって向き合い、乗り越えてきたのか。そんな“親の背中”を見せることが、子どもの仕事観を育むのではないでしょうか。ビジネスやスポーツの分野の最前線で活躍する親たちに、その紆余曲折や七転八倒の体験、そして「子どもに伝えたい仕事哲学」「確かに伝わった瞬間」について語ってもらいます。

子に伝える それでも、「仕事が好き。」

講談社で『ドラゴン桜』『宇宙兄弟』などのヒット作を担当し、現在はクリエイターのエージェント会社「コルク」で代表を務める佐渡島庸平さん。3人のお子さんがいるパパでもあります。インターネット時代のエンターテインメントのモデル構築を目指す挑戦者である佐渡島さんに、子どもに伝えたい仕事観について聞きました。

新しいエンターテインメント市場を作りたい

 数多くのヒットマンガ作品に関わり、「コルク」を起業をした佐渡島庸平さん。「コルク」という社名は、ワインのコルクに由来しているといいます。

 「『いいワインを世界に届け、後世に残す』には、いいコルクで栓をする必要があります。『クリエイターが生み出した作品を、世界に届け、後世に残す』ために、必要不可欠な会社になりたいという願いを込めているものです」

 「ワインは、いつ、誰が、どこで作ったかで選ばれて価格が変わるのに、作品は変わらない。そのことは健全なエンターテインメント市場が育つのを阻害しています。クリエイターとファンが直接結びつくことで、新しいエンターテインメントの市場を作ろうとしている」のが、その理念だそうです。

 そんな熱い思いを抱える佐渡島さん、これまでもさぞかし大きな「壁」や「挫折」があったと思いきや、意外な答えが返ってきました。

 「僕は、何かに対して『大きな壁』や『挫折』を感じたことはない気がします

 さらに「『仕事をしなければいけない』という気持ちはもう古い」という発言が飛び出してきました。

 その言葉からは、佐渡島さんの子育てを含んだ、人生哲学が見えてきます。

子どもに対する接し方の背景には、「佐渡島的子育て哲学」がありました。

「仕事に行かないで!」子どもが泣いたときに佐渡島さんが繰り出す、思わず子どもも納得するセリフとは?

次ページから読める内容

  • 目の前の課題をクリアする積み重ねで壁を越える
  • 親から子どもに与えられる影響は、直接的な何かよりも「姿勢」
  • 仕事に対する価値観が変わる時代に

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