二人の女の子のママであるタレントのSHELLYさん。コロナ禍で厳しい状況に置かれているシングルマザーを支援する「ひとりじゃないよプロジェクト」に賛同するなど、活動の幅を広げています。しかし子育てをスタートしたころは周りからどう思われるかを気にしていたそう。世の中に漂う「いい母であれ」というプレッシャーへの対処法を聞きました。

「そのやり方は違う」と思われたらどうしよう

 こんにちは。SHELLYです。

 自分が母親になって、初めて知ったり驚いたりしたことはたくさんあります。中でも、「あれ?」と思ったのは、誰から言われたわけでもないのに、「いいお母さんであれ」という、社会からのプレッシャーをひしひしと感じてしまうことでした。

 なんだか、理想の母親像が社会の中で共有されていて、そこからはみ出したら変な目で見られてしまうような雰囲気がありませんか? でもそんな立派なお母さんにはなれない、どうしよう――。もしも独身時代の私が、結婚した友達からそんな悩みを打ち明けられたとしたら、「そんなこと気にしてるの?」と、笑い飛ばしていたと思います。そして、あなたはあなたらしくお母さんをやればいいのよ、と励ましていたでしょう。

 ああ、それなのに、自分で子育てを始めたら、周りの目をめちゃめちゃ気にするお母さん、それが私でした。

 いったいどうしちゃったんだろう。やってきた仕事に自信を持っていたし、一人の人間としてそれなりに生きてきた自負もあった。何より、私は周りの意見にあまり左右されない性格だったはずなんですよ。

 それに、タレントとして周囲からの雑音に始終さらされてきたので、スルーする力というか、周りの目に対する鎧(よろい)みたいなものは身に着けてきたと思うんです。だから、自分について何を言われようと、自分がどう見られようと、自分らしく発言することにだけ集中してきました。

 それが「母親」になった途端にできなくなった。理由はたぶん、「自分のこと」じゃなく「自分に託されている子どものこと」を意識するからです。子どもは、自分に託された社会の宝物。この子を社会の役に立つように育て上げることに責任を感じ、どれだけちゃんとやれるか試されているような気持ちになりました

 責任を果たしていないと思われたらどうしよう。

 「そのやり方は違う」と思われたらどうしよう。