「相談室登校」の子も自分のペースで

佐々木 はい。学校再開後に生じたことですが、家庭学習と学校の授業の在り方を変革していくこと以外の効果もありました。

 「相談室登校」をしている子どもがいます。「不登校」ではなく、学校には来られているけれどいろんな事情で教室に入ることが困難な状況にあるケースです。そのような子は、相談室と呼ばれる部屋で過ごすのですが、相談室の先生だけで学習指導を行うのは限界があるので、結果的に通常教室の授業からは置いていかれてしまう状況になりがちです。

 市内全体でこのオンライン学習ツールを導入したところ、相談室登校の生徒が、自分のペースで学びを進めることができるようになったと聞きました。過去に相談室登校の時期があった中学3年生のある生徒は、「もし、もっと早く出合うことができたら、自分の進路は変わっていただろう」と言ったそうです。

 コロナ禍の緊急事態に対処するための緊急措置でしたが、このようなツールがあれば、不登校や相談室登校の子どもをサポートすることもできるようになるという気づきが得られました

―― 1人1台の端末整備を目指す文部科学省の「GIGAスクール構想」の中で、他にはどのようなことを検討していますか。