小1と4歳の子どもを育てる、子育てマーケターの森田亜矢子さんが、「日本の公教育を変えたい」という思いで、先進的な取り組みやキーパーソンを紹介する連載。前回に引き続き、デジタルとアナログ、オンラインとリアルを組み合わせる「ハイブリッド・ラーニング」の研究と実践に詳しい荒木貴之さん(ドルトン東京学園中等部・高等部校長)に聞きます。

【前編】ICT活用「記録・保存・共有」で学校に生じる変化
【後編】ルールで縛ると⼦どもが本当の意味で学ぶ機会を失う ←今回はココ

 ドルトン東京学園現校長の荒木貴之さんは、長年にわたり教育現場でのICT活用や、オンラインとリアルの学びを組み合わせる「ハイブリッド・ラーニング」を実践しながら研究してきました。荒木さんが設立にも携わった同校は、「自由」「協働」「ICT」を融合させた最先端の学びを提供しています。前回に続き、デジタルを使って学ぶと、学びや学校教育そのものがどのように変化していくのか、同校の実践例を踏まえて、荒木さんに聞きます。

「YouTubeばかり見てます」は想定内

―― 前回は、教育分野でのICT活用の最大のメリットとして、学びが(1)記録され、(2)保存され、(3)共有可能になることで、教育のDX(デジタルトランスフォーメーション)が進むという話を聞きました。

 ネットワークにつながった端末を子どもに渡すと、「YouTubeばかり見ている」などの悩みが浮上しがちですが、ドルトンの生徒はそうならないのでしょうか。

荒木校長(以下、敬称略):いえいえ、生徒もゲームをしたり、YouTubeを見たりしていますよ。この春の緊急事態宣言下において、BYOD(Bring Your Own Device:各家庭や先生が所有するデバイスを利用すること)でオンライン授業を始めた後、「うちの子どもがゲームばかりしていて困っています」という保護者の声もありました。

 そういうことは起こるだろうと、事前に予想していましたが、僕は「学習以外の用途に使えないように、端末をガチガチにロックする」という対策はしないほうがよいと思っています

次ページから読める内容

  • ルールで縛ると、本当の意味で学ぶ機会を奪ってしまう
  • なかなか実らなかった日本の公教育におけるICT活用
  • ICTを活用すれば全員が最前列になる

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