コロナ禍で浮き彫りになった課題を前向きに捉え、日本の公教育を変えたい――。自身も小1と4歳の子どもを育てる、子育てマーケターの森田亜矢子さんが、そんな思いで、先進的な取り組みやキーパーソンを紹介する連載。今回は、デジタルとアナログ、オンラインとリアルを組み合わせる「ハイブリッド・ラーニング」の研究と実践に詳しい荒木貴之さん(ドルトン東京学園中等部・高等部校長)に聞きます。

【前編】ICT活用「記録・保存・共有」で学校に生じる変化 ←今回はココ
【後編】ルールで縛ると⼦どもが本当の意味で学ぶ機会を失う

学校支給の端末がなくてもできた 実例から学べること

 子育てマーケターの森田亜矢子です。すべての小中学生に1人1台のIT端末を整備すると文部科学省が掲げる「GIGAスクール構想」は、新型コロナウイルスの感染拡大の影響によって、多くの自治体で、前倒しで進められています。「端末自体が品薄」という声が聞こえてくる中、自治体が一斉に端末の発注をしているため、今年度内の配備が難しいというケースも出てきています。

 私の居住区(東京都目黒区)は、6月末に区議会で予算が承認されてすぐに発注したそうですが、納品は年度末を目指しているとのこと。この秋冬には間に合いそうもありません。

 一方、私立学校の多くは、BYOD(Bring Your Own Device:各家庭や先生が所有するデバイスを利用すること)で、既に学びのICT活用を進めています。「手元に学校支給の端末が届いていなくても、学校教育にICTを活用していくことはできる」という事例を、私立学校の実践を通じて知ることができます。

 今回は、デジタルとアナログ、オンラインとリアルを組み合わせる「ハイブリッド・ラーニング」の研究と実践に詳しいドルトン東京学園中等部・高等部の荒木貴之校長に、「学校教育にICTを活用すると、学びはどんなふうに変わるのか」を聞きました。

コロナでオンライン授業を初体験

―― ドルトン東京学園では、以前からICT活用は進んでいたのですか。

荒木校長(以下、敬称略):もともと、Microsoft社のTeams(チームス)やLoiLo社のロイロノートなどのツールは使っていましたが、オンライン授業を始めたのは、コロナによる一斉休校が始まってからです。

 僕が校長に着任したのが今年の4月1日で、オンライン授業をすることがその日に決まり、「ご家庭の端末を利用してインターネットにつなぐ準備をしてください」と各家庭に連絡したのが4月3日。そして、週明けの4月6日には、全員がZoomでつながりました。

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  • 教育現場のDX できなかったことができるようになる
  • 答えが一つじゃないものは共有するメリットが大きい

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