今週(2021年6月27日)、最終回を迎えた、ドラマ日曜劇場「ドラゴン桜」。脚本を監修した現役東大生の西岡壱誠さんは、偏差値35から東大合格した「リアル・ドラゴン桜」です。原作の漫画『ドラゴン桜2』でも担当編集を務め、多くの東大生に、育ってきた家庭環境や実践してきた勉強法などを取材してきました。

そんな活動の中で、「頭を良くするには、メンタルの力(非認知能力)が大事」と痛感するようになったそうです。2021年5月には「受験勉強で得られる非認知能力」をテーマにした『東大メンタル 「ドラゴン桜」に学ぶ やりたくないことでも結果を出す技術』(日経BP)を出版、大きな反響を呼んでいます。そんな西岡さんに「子どもを伸ばす親の条件」を教えてもらいます。

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受験の真実は「成績より、やる気」

編集部(以下、――) 自分自身の成績を劇的に「伸ばした」経験を持つ西岡さんと一緒に「子どもを伸ばす親の条件」を考えていこうというのが、この企画です。西岡さん、よろしくお願いします。

西岡壱誠(以下、西岡) 「子ども目線」で、親を評価せよ、ということですね。

 語りたいことはたくさんある気がするんですが、こういう話をするのは初めてで、うまく話せるか、ちょっと自信がありません。そこで助っ人を頼んで、対談形式にすることにしました。お相手は『東大メンタル』でもご協力いただいた、同じ大学の大先輩、加藤紀子さんです。

―― 加藤さんは、1996年に東京大学経済学部を卒業後、国際電信電話(現KDDI)勤務を経て渡米。帰国後は、中学受験、海外大学進学、国際バカロレアなど教育分野を中心にさまざまなメディアで取材、執筆を続けています。ご自身も1男1女のお母さんですよね。

加藤紀子(以下、加藤) はい。西岡さんの存在はずっと知っていて興味がありましたし、最近は、直接、お話しするようにもなりましたが、「親目線」で「西岡さんに質問したい!」と思うことって、たくさんあります。だから、今日はどんどん疑問をぶつけていきますね。

 そもそも、本当に「偏差値35」だったんですか?

―― そうですよね。ドラマや漫画ならさておき、現実世界で偏差値35の高校生が東大に合格するかというと、にわかには信じがたい気がします。

西岡 はい、本当に「偏差値35」でした。高校1、2年生のころの校内偏差値が35なら、高校3年生になってすぐ受けた全国模試も「偏差値35」でした

加藤 でも実は東大って、進級すら危うかったような人が、そこからはい上がって合格するケースが意外とあるんですよね。部活や学校行事など好きなことに没頭し過ぎた高校生が一念発起したりして。

西岡 そうです。東大受験の真実は「成績よりやる気」です

加藤 ちなみに西岡さんが通っていたのは、どんな学校だったのですか?