日本IBMは100%出資子会社3社を合併し、7月1日に新会社「日本IBMデジタルサービス」を設立した。数千人というグループ最大のIT集団を率いるトップには、井上裕美さんが就任。39歳の若手女性社長誕生は、社内外から大きな期待を集めている。井上さんに加え、日本IBM代表取締役社長 山口明夫さんを迎え、新会社設立の目的と新社長の意気込みを日経xwoman総編集長・羽生祥子が聞いた。

右から、日本IBM代表取締役社長  山口明夫さん、日本IBMデジタルサービス代表取締役社長 井上裕美さん、日経xwoman総編集長 羽生祥子
右から、日本IBM代表取締役社長 山口明夫さん、日本IBMデジタルサービス代表取締役社長 井上裕美さん、日経xwoman総編集長 羽生祥子

トップとして重視したのは人間力、「明るさ」が大事

日経xwoman総編集長 羽生祥子(以下、――) 日本IBMはグループ会社3社を合併し、新会社を設立しました。デジタル分野の最先端の新社長が39歳の女性である井上さんと聞いて、驚くとともに「IBM、有言実行だな」という印象を受けました。というのも、本社の日本IBM山口明夫社長が以前、「長年男性が務めてきた役員職に女性を任命している。女性活躍推進を続けることが大事」と明言していたからです(参照記事「女性活躍企業1位の日本IBM、社長が明かす努力」)。言葉だけではなく、実行していますね。井上さん自身は社長就任について聞いたときは、いかがでしたか?

日本IBMデジタルサービス代表取締役社長 井上裕美さん(以下、井上) 正直、驚きでした。新会社の設立は、お客様のDX(デジタルトランスフォーメーション)を加速するために、日本IBMのグループ3会社の強みを融合させ、深い業界知識と技術力を持ったITプロフェッショナルのチームをつくり上げることがミッションと聞いていました。

 新会社が目指すミッションについて聞きながら、ワクワクする気持ちが抑えられずにいると、最後に山口社長から「ついては、新会社の社長に」と私が指名されて、「ええーっ!」と。本当に驚きましたが、会社の描く未来には共感しかなかったので、それを実現するために自分にできることがあるなら全力でやらせてもらおうと、お引き受けしました。

井上裕美 日本IBMデジタルサービス 代表取締役社長 日本IBM 執行役員
井上裕美 日本IBMデジタルサービス 代表取締役社長 日本IBM 執行役員
いのうえ・ひろみ/2003年日本IBM入社。システムエンジニアとして官公庁のシステム開発を担当後、官公庁基幹システムプロジェクトのPM(プロジェクト・マネジャー)を経て、2011年官公庁デリバリー部長に就任。さまざまなプロジェクトで統括PM/PO(プロジェクト・オーナー)を担当する。19年、ガバメント・デリバリー・リーダー、20年日本IBMグローバル・ビジネス・サービシーズのガバメント・インダストリー理事に就任。プライベートでは保育園児と小学生の二人の娘の母でもある。

―― DXを加速するというミッションとのことですが、どのあたりがワクワクしたのですか?

井上 合併した3社は、製造業と金融業を中心に、それぞれの業界で高い専門性を培ってきました。それを1社に合併することで、開発・運用、新規のデジタル戦略を加速できるというところです。これはDXの大きなビジョンです。

社長人事に性別・年齢は関係ない。若手、女性はあくまで結果

―― DXという時代の中心のビジネスで、重責です。山口社長はなぜ井上さんを選んだのですか?

日本IBM代表取締役社長 山口明夫さん(以下、山口) 彼女を新社長に任命したのは、女性だからではありませんよ。実績とキャラクターから、適任だと思ったからです。

―― もちろんです、女性だから社長になれるほどIBMも世界も甘くはありません(笑)。適任のキャラクターとは、具体的にいうと?