女性リーダーだからコロナの対応が成功したのではない

―― コロナの対応では女性リーダーの活躍が注目されていますね。

只松 ニュージーランド、台湾、ドイツ、フィンランドをはじめ、多くの女性リーダーの活躍が目立ちます。ただ私たちが注目すべきは、リーダーのジェンダーではなく、これらの国には本当に優秀な人材がその国のリーダーになることができる平等なシステムがあるという点です。

 ジェンダーに関係なく国民全員に平等な機会が与えられることで、ジェンダー平等が進んでいない国よりも単純に2倍の英知を結集することが可能になります。このような平等なシステムがあれば、ジェンダーにかかわらず、本当に優秀な人がリーダーとなり、加えて国の重要意思決定機関は優秀な人材で構成されることが容易に想像できます。その結果、コロナのような未曽有の危機においてさえ素晴らしい対応ができるのです。

―― 意思決定機関の多様性促進に向け、具体的には何から始めればいいでしょうか?

只松 現時点では多様性の実現は大変難しいと言わざるを得ません。なぜなら今現在多様性が低い意思決定機関である場合、ガバナンスが機能していないため、多様性を促進しようと言ったところで、「まだ、対応しなくても大丈夫だろう」という楽観主義や、自分たちに都合の悪い情報を排除しようとするグループシンクが働いてしまうからです。

 加えて、意思決定機関の多様性を促進するためには現在の男性メンバーを退任させる必要が出てきます。こうなると一気に対抗勢力が大きくなり、実現が困難になります。特に権力と影響力を持つ人々の対抗勢力なので、どれだけ大変になるかは想像がつくでしょう。ただ、方法がないわけではありません。以下2つを提案します。

 1つ目は、重要意思決定機関で一番影響力を持つ人の意識を変えることです。企業の場合は社長や会長、またそれと同等の方の意識を変えることです。2つ目は外からの働きかけです。企業の場合は株主、世論、また世界的潮流などがそれに当たります。特に日本は世論が動くと社会全体が大きく、しかも速いスピードで変化するという点が大きな特徴です。働き方改革が良い例です。