2021年1月からは、大学入試センター試験から「大学入学共通テスト」に替わり、「思考力」「判断力」「表現力」を問う問題が増えるなど、大学入試の中身が大きく変わりました。変化があったのはそれだけではありません。入試選抜にも大きな変化がありました。中編では私立大学を中心とした入試選抜の変化について、21世紀型教育を研究している石川一郎さんに解説してもらいます。

前編 大学入試改革の基礎知識 親世代とはどこが異なる?
中編 大学入試改革 一般選抜での難関私大合格は至難の業に ←今回はココ
後編 小学生のうちは「勉強嫌いにさせない」が最も大事に

一般選抜でGMARCHに入るのは相当大変になっている

 世間ではあまり話題になっていないので、知らない方も多いかもしれませんが、大学入試改革では、入試名称も変更がありました。2021年4月に大学に入学する受験生を対象とした入試からは次の3つのスタイルに整理されました。

(1)一般選抜(旧・一般入試)
(2)学校推薦型選抜(旧・指定校推薦・公募推薦)
(3)総合型選抜(旧・AO入試)

 簡単に説明しましょう。

(1)一般選抜

 大学入学に必要な学力をペーパーテストで測る、昔からおなじみの方式。国公立大学は1次試験に当たる共通テストと、大学が独自に実施する2次試験の2段階。入試科目は5~7科目。2次試験では記述式問題が多い。

 私立大学では大学ごとに試験を実施。英語は民間の資格や検定試験のスコアを活用できる大学も増えている。1回の出願・試験で複数の学部を受けられたり、共通テストの結果を利用できる「共通テスト利用(かつてのセンター利用)」方式があったりするなど、選抜方法が多様。

(2)学校推薦型選抜

 高校での成績やスポーツの実績、課外授業の実績などの取り組みを基に受験生の個性や頑張りを評価するもので、「指定校制」と「公募制」の2種類がある。「指定校制」は大学が指定した高校の生徒だけに出願資格があり、合格がほぼ確定。ただし、一つの高校で人数制限があるため、希望者が多い場合は校内で学力選抜がある。「公募制」は大学が示す基準に達していれば、基本的に誰もが受験できる。ただし、「指定校制」のように必ずしも合格が保証されているわけではない。

(3)総合型選抜

 かつてのAO入試。大学または各学部・学科が提示する「アドミッションポリシー」に合致するかどうかが合否判断になる。選考方法は、活動報告書や志望理由などの提出書類のほか、面接や小論文、プレゼンテーションなどがある。いずれも「高い学習意欲」と「学びへの明確な目的意識」を見るもの。そのような各大学が実施する評価方法に加え、大学ごとに行われる学力テストか資格・検定試験などの成績、共通テストの結果などのいずれかが必須。

 では、親世代の大学受験とはどのような違いがあるのでしょうか?