人類が地球で暮らし続けるために、2030年までに達成すべき目標、SDGs(持続可能な開発目標)。子どもたちが生きる未来に向けた大事な課題ですが、普段の生活からは距離のあるそうした課題に子どもの目を向けさせるのは難しいかもしれません。今回はDUALの編集部員Aが、小学校2年と年長の子どもの2人とともにコオロギの養殖工場を訪れたことをきっかけに、子どもたちが将来の食糧危機について目を向けるようになり、それによって食事も残さないで食べるようになった経緯をリポートします。

「えっ? 昆虫食べるの?」「気持ち悪い~」

 編集部員Aは小学2年生と年長になる2人の子どものムラ食いや、食べ残しに日ごろから頭を悩ませていました。子どもたちが食事を残そうとするたびに「地球にはご飯が食べられない子もいるんだよ」「このお魚、調理されたのに食べずに捨てられちゃったら何のために生まれてきたのかな? 悲しいよね」と言葉を尽くして食べ物を大事にするよう伝えてきましたが、子どもたちにはなかなか響かないようです。

 そんな2人を連れて、たまたま遊びに行ったのがとあるコオロギの養殖工場。最近の昆虫食ブームの中で、「ちょっと行ってみようかな」と気軽な気持ちで子どもたちを誘うと、戻ってきたのは「何それ?」「えっ? 昆虫食べるの?」「気持ち悪い~」などというネガティブな反応。「コオロギの飼育セットが買えるみたいだよ」と伝えると、「それなら行く」と2人。

 ほぼ飼育セット目当てで行くことにした子どもたちですが、この工場見学が子どもたちにとって「食糧危機」や「食品ロス」について考えるきっかけとなり、なんと「残さず食べる」という毎日の行動にもつながりました

編集部員Aが子どもたちと共に訪れたクリケットファーム(長野県茅野市)
編集部員Aが子どもたちと共に訪れたクリケットファーム(長野県茅野市)