注意欠陥多動性障害(ADHD)であることを公表し、「葉っぱ切り絵アーティスト」として活躍するリト@葉っぱ切り絵さん。実はADHDだと診断されたのは2018年、31歳になってからのことでした。就職しても長続きせず、「自分の努力不足なのか」と悩む日々だったと言います。そこからどのようにアーティストへの道を歩み出したのか、ADHDの子を持つ親が心がけたいことについても聞きました。

心に寄り添うタイトルは理解されなかった苦しみから

 2022年8月に3冊目の作品集となる『素敵な空が見えるよ、明日もきっと 小さな優しい森の仲間たち』を出版したリト@葉っぱ切り絵さん(以下、リトさん)。

 ページをめくると、ウサギやカエル、ネズミといった森の動物たちのストーリーが、1枚の葉っぱの上に切り絵で表現されています。その緻密な技術に驚くとともに、「昨日はごめんね」「あせらなくてもきっと芽は出るよ」「本当はみんなの輪に入りたい」といったタイトルも心に響きます。

『素敵な空が見えるよ、明日もきっと』(講談社)の収録作品「昨日はごめんね」
『素敵な空が見えるよ、明日もきっと』(講談社)の収録作品「昨日はごめんね」

 「タイトルを考えるだけで、2時間かかることもあります。こういう言い方をしたら、傷つく人はいないか、不快に思う人はいないか。誰かの気持ちに思いを巡らせるのは、自分自身がADHDとして理解されなかったときのつらい経験が影響しているのかもしれません」

 実はリトさんは子どもの頃に特別な絵の勉強をしたことはなく、葉っぱの切り絵を制作し始めたのも、2020年から。ADHDと診断されたのは18年、31歳になってからで、大学卒業後は就職しても長続きせず、「自分の努力不足なのか」と悩む日々だったと言います。

 いったい、どのように葉っぱ切り絵アーティストとしての道を歩み出したのでしょうか。

次ページから読める内容

  • 2歳下の弟と比べられた日々
  • 診断されても現実は変わらない
  • 「得意なことで生きていく」と決めた
  • 可能性の種はあらゆるところに

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