まるで『ハリー・ポッター』の世界のようなボーディングスクール(寄宿制の学校)が、日本で開校ラッシュを迎えています。2022年9月には英国の名門パブリックスクールであるハロウ校が、2023年9月には英国の名門校ラグビー校が日本校であるRugby School Japanを開校します。ボーディングスクールとはどのような学校で、どのような教育が特徴なのでしょうか。また、なぜ日本なのでしょうか。Rugby School Japanの担当者に聞きました。

国際教育を行う学校が、いま開校ラッシュ

 国際教育に関心を持つ親の間で、インターナショナルスクールのなかでも全寮制を採用しているボーディングスクールが注目を集めています。ボーディングスクールの歴史は古く、英国王室ゆかりのイートン校は1440年に創設されています。

 日本のボーディングスクールの先駆けは、1960年に開校した函館ラ・サール中学・高等学校、63年に開校した札幌聖心女子学院中学・高等学校です。近年は、寮を兼ね備えた国際的な教育を行う学校が続々と開校ラッシュを迎えています(下の表参照)。

 なかでも2014年に軽井沢に開校した国際バカロレア(IB)プログラムを提供するUWC ISAK Japanには世界80カ国から生徒たちが集まり、注目を集めました。

 2020年に広島に開校した神石インターナショナルスクール(JINIS)は初の全寮制のインターナショナル小学校です。海外の寄宿制トップ中等教育校への進学も視野に入れ、緑豊かな自然の中で乗馬やゴルフ、スキーなどを体験しながら寮生活を送ることができます。

近年開校、開校予定の主なボーディングスクール
2006年
海陽学園(愛知県、中学・高校)

2014年
UWC ISAK Japan(長野県、高校)

2018年開校
国際高等専門学校(旧名称金沢高等専門学校)(石川県、高校)

2019年開校
広島叡智学園(広島県、中学・高校)

2020年開校
神石インターナショナルスクール(広島県、小学校)
瀬戸内グローバルアカデミー(広島県、高校)

2022年開校予定
ハロウ校安比ジャパン(岩手県、小学6年から高3相当)
白馬インターナショナルスクール(長野県、中学・高校)
国際高等学校(愛知県、高校)

2023年開校予定
Rugby School Japan(千葉県、小学6年から高3相当)

英国名門私立「パブリックスクール」は、自然豊かな場所に

 さらにいま国際教育への感度が高い家庭の間で話題となっているのが、「パブリックスクール」と呼ばれる英国の私立校の中でも知名度の高い、ハロウ校とラグビー校の日本校開校です。2022年9月には、ハロウ校が岩手県の安比に「ハロウインターナショナルスクール安比ジャパン」として開校。日本最大級のスキーリゾート、36ホールを持つゴルフ場、18面のテニスコートなどの周辺施設も利用できる恵まれた環境にあります。全寮制で未来のリーダーを育成する教育を行います。

 ラグビー校の日本校であるRugby School Japanは2023年9月に開講予定。ラグビー校は、イートン校をはじめとする英国の私立学校のトップ9校 「The Nine」のうちの1校であり、『不思議な国のアリス』を執筆したルイス・キャロルもその出身です。ラグビー校は、「The Nine」の中で最も早く共学化(1992年)し、450年以上の伝統と革新を兼ね備えた名門校です。英国では、13~18歳までの共学の寄宿制学校(ボーディングスクール)で、約850人が寮で暮らしながら勉強しています。

 日本では、千葉県の柏の葉キャンパスにある千葉大学内に開校を予定し、寄宿と通学の両方の選択肢を用意。秋葉原から電車で最速30分と、都内からでも通学可能な範囲にあります。他にも北海道などにもサテライトキャンパスを持ち、多くの学びの機会を準備。共にイギリスの中等教育学年であるYear7からYear13(日本では小学校6年生から高校3年生相当)の教育を行い、卒業後は海外の大学への進学を目指します。

 なぜ、これほど日本でインターナショナルスクールの開校が続いているのでしょうか。Rugby School Japanの運営を行う「クレランス・エデュケーション・アジア」の代表フェイフェイ・フウさんに聞きました。

千葉大学との基本合意締結の際の写真。左がフェイフェイ・フウさん。右は千葉大学の中山学長
千葉大学との基本合意締結の際の写真。左がフェイフェイ・フウさん。右は千葉大学の中山学長

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  • 日本での教育の選択肢の拡大
  • 「ルールメーカー」を生み出す教育
  • 10代で寄宿舎生活を送ることのメリットは

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