まとめ:企業内両親学級の流れ

●新生児期の暮らし、産後の妻の変化などを解説(パート1~パート3)
新生児育児の大変さや産後の妻のホルモンやメンタルの変化を解説。男性が産休・育休を取り、家事や育児を担当する必要性を説明するとともに、育休の取り方についても、柔軟に考えてよいとアドバイス。

●グループワークで産後の妻が希望することを話し合う(パート4)
少人数のグループに分かれ、男性は妻の気持ちを推測してトーク。女性参加者は、自分が夫に求めていることをコメントした。夫婦で歩み寄るパートナーシップのつくり方や言葉かけ、気遣い、妻が何を求めているか考える大切さを学んだ。

●共働き子育てのフレームワークなどを解説(パート5~7)
「チーム子育て」をする上で、男女の役割分担の思い込みを断ち切ることの必要性を知る。共働き子育てを成功させるために、職場、パートナー、自分に必要な要素を学ぶ。育児が仕事スキルを成長させることについても触れられた。

参加したパパ&プレパパに感想を聞きました

●産後2週間の育休取得。新生児育児の大変さがふに落ちた
「昨年秋に第1子が誕生し、産後すぐに2週間の育休を取得しました。新生児期は本当に大変でした。今日の講座を聴いて、その原因は、子育てでは子どもと関わっていない時間も常に緊張していることや、続けて休めないことだと分かりました。このようなことも先に知っていたら、心構えができてよかったと思います。自分が職場復帰する日は、妻が1人で育児をするのかと思うととても不安でした。後輩には産後すぐの時期は、4週間くらいは休むように勧めたいです」
(Uさん 30代 通信業・陸運業 第1子誕生後に受講)

●これから妊活。働き方をどう変えるかの大切さを事前に知れてよかった
「今日、この講座を聴くまでは、育休取得については、収入がどう変わるかという物差しでしか考えたことがありませんでした。しかし、講座で新生児育児の大変さや妻と一緒に育児をスタートさせる大切さを聞いた今、産休・育休は取らないといけないと思っています。子育てをしながら共働きをする際には、働き方をどう変えるかが大切なことも分かりました。わが家はこれから妊活予定ですが、事前に知ることができてよかったです。今のうちにしておこうと思ったのが、料理のスキルを上げること。赤ちゃんが生まれることになったら、産後すぐの食事はもちろん、離乳食や作り置きおかずなども作れるようにしておきたいです。ただし、頑張り過ぎず、宅配サービスもうまく利用したいですね」
(Tさん 30代 サービス業 妊活中に受講)

塚越 学(つかごし・まなぶ)
東レ経営研究所ダイバーシティ&ワークライフバランス推進部チーフコンサルタント

塚越 学(つかごし・まなぶ) NPO法人ファザーリング・ジャパン理事。イクボスプロジェクト・コアメンバー。男女共同参画・働き方改革・管理職改革に関する講演・ワークショップ・コンサルティングで数多くの実績。「育児&介護を乗り切るダイバーシティ・マネジメント イクボスの教科書」「男性育休義務化の基礎知識 男性育休の教科書」(いずれも日経BP)監修などメディア掲載・出演多数。

取材・文/福本千秋(日経xwoman DUAL) イメージ写真/PIXTA