なぜ仕事より育児のほうが疲れるのか

 パート1では、東レ経営研究所の渥美由喜さんが見いだした「夫婦の愛情曲線」を紹介。妻から夫への愛情は、産後低迷し、子どもが幼いときに夫婦で育児をできていないと、子どもが成長した後も低迷したままであること、それは熟年離婚につながる可能性があると解説します。産後すぐに夫が育休を取り、夫婦で一緒に育児をスタートすることは、長期的なパートナーシップにも影響を及ぼすのです。

 塚越さんは妊娠中から産後すぐにかけての夫婦がどのように親になっていくかにも言及。妻は、胎動など、自分の体に変化があるなど母親になっていける機会が多いが、そうした機会の少ない夫は能動的に意識を切り替える必要がある、と説明しました。意識の切り替えをパソコンにたとえた、「妻は自動で新しいOSがインストールされ、更新されるが、夫は手動でOSを入れ替える必要がある」という説明はイメージしやすく、顔出ししている参加者の中には大きくうなずく人もいました。

 続くパート2では同じ時間だけ仕事と育児をした場合、なぜ育児のほうがより疲れるのかを、論理的に分析。育児では授乳やオムツ替えといったサイクルが1日に何度も繰り返され、育児以外の自由な時間にも緊張が続くことを説明します。

 産後の妻のホルモン変動やメンタルヘルスの大切さなどにも触れ、産後3カ月間にパパが取るべき役割についても細かな解説がありました。

 複数回取れる男性育休の取り方についても言及。塚越さんは「産後すぐに夫婦で育児をスタートするために、男性が産休・育休を取ることはとても大切です。しかし、その後の取り方は100人いたら100通り。柔軟に考えましょう」とパターンを紹介しながらアドバイスします。

 パート3のテーマは子どもの成長と新しい働き方の関係。乳幼児期に子育てはどのように変化するか、コミュニケーションツールとしての絵本の選び方、子どもの成長とともに働き方はどのように変化するかを解説。

 続いてのパート4はグループワークからのスタートです。参加者が4~5人ずつのグループになり、「妻が自分にしてほしいと思っていること」などをトークしていきます。その後は、夫が思っていることと、妻が実際に思っていることを比較したり、分析したり。それを踏まえて、パートナーとよい関係をつくるにはどうしたらいいかについて、解説がありました。