私だけじゃなく「みんなで育ててください」という感覚

―― 読者の中には育児と仕事が大変なときでも、「人に頼るのが苦手」という人が多いのですが、お二人は忙しい時期をどう乗り切ってきましたか?

亜美 授乳に関しては自分にしかできなかったので、ちょっとしんどい時期もありましたね。ただ他のことに関しては、周囲の力も借りていたので。自分の心を健やかに保つには、頼ることも大事だと思いますし

由美 うちは“ザ・ワンオペ”なので、割り切って人に頼ってます。でも最初は、「子どもを預けて遊びに行ってると思われたらどうしよう……」と怖くて、美容院に行くタイミングもつかめなくて。思い切って街の一時保育サービスを利用したら、「もっと早くお願いすればよかった」と気が楽になりましたね。今となっては「みんなで育ててください、よろしくお願いします!」という気持ちです(笑)。

―― 先輩ママである亜美さんに、子育ての相談をすることはありますか?

由美 出産した時期に9年も差があるので、亜美ちゃんには申し訳ないけど、ハッキリ言って時代が全く違うから参考になりません! 前に抱っこひもをおすすめしてくれたけど、「チョイスが古!」と思って(笑)。性別も違うし、あまり子育ての相談はしたことがないですね。ただ息子が現場に来たとき、代わりに叱ってもらうことはあるかも。私が気になって集中できないので、たまにしか連れて来ませんけど。

亜美 「ちょっと来い!」って由美ちゃんちの息子を私が叱ったりしてね。私と彼はゲーム仲間でもあるので。

最新アルバムでは、初めての“子育てがテーマ”の曲も

―― 最新アルバム「THE PUFFY」収録の「CHOEGOIST」はお二人の作詞ですが、子育ての大変さがテーマになっていますね。

亜美 子育てについて書いたのは初めてです。なんとなく、今まで書いたことのないテーマでやってみよう……という流れになったんですよね。

由美 2人で「子育てで何がつらかった?」「寝られなかったことかなあ……」とか話して

亜美 そうそう、小さなエピソードを出し合って膨らませていったんだよね。

 子育てでも音楽はコミュニケーションの一つになっていますね。友達のライブに連れて行ったり、車で好きなバンドの曲を聴いて一緒に歌ったり……。私たちのライブを見に来てくれることもあるので、そういうときは娘に褒められたいから頑張ろう! って思う(笑)。

由美 うちの子もPUFFYのライブに来るけど、まだ9歳だから途中で飽きて楽屋へ行っちゃう(笑)。音楽の授業も好きじゃないみたいだけど、強要はしないようにしてますね。

亜美 もう少し大きくなったら興味が出てきて、自分から聴くようになるんじゃない? 今は母親よりもゲームうまい人のほうがすげえ! みたいな感じでしょ。

由美 そうそう。「このYouTuberの人会ったことあるよ」って言ったときの反応はすごいから。母は全く勝てないですね。

―― 働く親は、どうしても子どもと過ごす時間が短くなってしまいます。そんな中でもコミュニケーションを取れるよう、大切にしていることはありますか?

亜美 私は、そのときどきの子どものブームを把握していたいんです。だから娘から「やってみなよ」と言われたら、とりあえずやってみる。K-POP、アニメ、マンガ、ゲーム……と興味が持てそうなら私も一緒にハマって、熱く語り合います。

由美 あんまり気にしたことがないかも……。うちの息子は「今日学校で何したの?」と聞いても、いつも「忘れた」って返ってくるから(笑)。うざいと思われたら嫌だから、「深く掘り下げない」をルールにして、ほどよい距離感を保つようにしています

亜美 小さい頃は留守中に泣かれたこともあっただろうけど、子どもは案外けろっとしてて、すぐ他のことに夢中になるので。一緒にいるときに楽しく過ごして、「じゃあママ仕事に行ってくるね!」って言えばいいかなって。

由美 考えてみたら、うちは「仕事行かないで!」って泣かれたことないかも。だから自由に働けるのかもしれないですね、ありがたいことに。

最新アルバム「THE PUFFY」には初めて子育てについて書いた曲も収録
最新アルバム「THE PUFFY」には初めて子育てについて書いた曲も収録