小学校の授業に漫才を取り入れるなど、教育的見地から「笑い」を取り入れる取り組みが増えています。今回取材したのは、お笑い芸人の木曽さんちゅうさんが、小学生を対象に開催している全5回のワークショップです。木曽さんは「教育漫才で非認知能力向上! 名物校長からのメッセージ」の記事で紹介した越谷市立新方小学校の教育漫才大会で、司会を務めました。このワークショップはネタを考える中で、意思伝達力や自分も周りもハッピーになれるコミュニケーション力を育もうという狙いがあるといいます。ワークショップ2回目の様子をリポートするとともに、木曽さんがどんな思いで子どもたちと向き合っているのかを聞きました。

プレゼン能力とハッピーなコミュニケーション力を笑いで培う

 木曽さんがこのワークショップを始めたのは約4年前。元相方のねづっちさんと組んでいたWコロンの解散を機にピン芸人になった頃、当時の竹の塚地域学習センター(足立区)館長・村田憲司さんから「お笑いを用いたアクティブラーニングを進めたい」と声を掛けられたことがきっかけでした。その後、18年に村田さんが足立区の体験型複合施設「ギャラクシティこども未来創造館」の責任者に就任したタイミングで、会場を同館に移してワークショップを年に数回開催し続けてきました。

 「ピンになったことで、『もうどんな仕事でもやってやる!』と思っていたのですぐに引き受けました。実は、最初は、そんなに乗り気ではなかったのです。でも、今では自分が教えたことで、子どもたちがぐんぐん成長する姿を見ることにハマってしまいました(笑)」(木曽さんちゅうさん)

 週に1回、全5回のワークショップの名前は「漫才師になったつもりでオモシロイ話をしよう!」。プロの芸人さんと一緒にネタ作りができることもあって、例年他県からの参加者もいるほどの人気のクラス。リピーターも多く、1年生から通い始めて4年生になった今も参加する子もいます。21年度2回目となる7~8月に実施される回は、あっという間に満席になってしまいました。

木曽さんちゅうさん。意思伝達力や、自分も周りもハッピーになれるコミュニケーション力を育むことを狙いとし、小学生を対象にワークショップを開催(写真/木曽さん提供)
木曽さんちゅうさん。意思伝達力や、自分も周りもハッピーになれるコミュニケーション力を育むことを狙いとし、小学生を対象にワークショップを開催(写真/木曽さん提供)