長引く新型コロナウイルス下で「運動不足になって太った」などと、コロナ太りを気にしている人もいるかもしれません。しかし、一部の子どもたちの間ではコロナ太りではなく「コロナ痩せ」が増えているのだそうです。いったいどういうことなのでしょうか。国府台(こうのだい)病院児童精神科診療科長、子どものこころ総合診療センター長の宇佐美政英さんに聞きました。

「真面目で頑張り屋」な思春期女子ほどコロナ痩せになりやすい

 長引くコロナ下で「在宅勤務で運動不足になった」「家飲みで体重が増えた」などと「コロナ太り」を気にしている大人は多いかもしれません。

 しかし、「子どもたちの間では、逆にコロナ痩せが増えています」と、国府台病院児童精神科診療科長、子どものこころ総合診療センター長の宇佐美政英さんは言います。

 「国府台病院児童精神科のデータを見ても、コロナ前・コロナ後で摂食障害の患者数が約3倍に増えており、明らかにコロナとの関連性が考えられます。特に真面目で頑張り屋の思春期の女の子ほど、コロナ痩せになる危険性が高いので注意が必要です」

 いったい、何が原因で「コロナ痩せ」になってしまうのでしょうか。宇佐美さんは「コロナ痩せという正式な病名はなく、摂食障害の1つ」だとした上で、次のような理由を挙げます。

 「まずは社会的な閉塞感です。特にコロナの第1波や第2波の頃は、一斉休校という子どもたちにとって大きな生活スタイルの変化がありました。当時は大人の重症化が声高く訴えられ、子どもは感染しにくい状況でしたが、大人のために子どもたちがマスクをしたり、外遊びをやめて自宅だけで生活したりするなど、我慢をしてくれていた時期です。さらに休校や外出自粛が続いた時期を経て、生活環境も大きく変化しました。ステイホーム中は学校の勉強や課題を自分で計画性をもって進めなくてはならず、子どもの負担が増えました。真面目で優等生タイプの思春期の女の子ほど、『しっかりしなきゃ』と自分を追いつめてしまったのだと思います。

 もう1つは働き方の変化。これまで留守がちだった父親が自宅にいるのが増えたことも関連していると考えられます。もともと摂食障害は女子の第二次性徴の時期に発症することが多く、その女性性の獲得が大きな心理的な課題となるのですが、コロナ禍で父親も在宅勤務となり、一緒にいる時間が増えたことで、年頃の娘にとって、さらにストレスが増えたのかもしれません。思春期の子どもにとって父親がずっと家にいるのは居心地が悪いことも多いでしょうから。

 3つ目は子どもたちが目にするSNSの影響です。大人であれば不自然に加工されたモデルの画像を見ても、それがリアルな姿ではないことが理解できますが、子どもたちは『この人はこんなに痩せているのに』と自分を卑下してしまうことも考えられます」

■次ページから読める内容
・コロナ痩せとなる子どもの摂食障害には拒食症が多い
・どのような兆候が見られると危険?
・どこで診察を受ければいい?
・効果的な治療法とは

次ページから読める内容

  • 摂食障害の発症は思春期に多い
  • 摂食障害を見抜くサインは?
  • まずは小児科やかかりつけ医に相談を

続きは、日経xwoman登録会員の方がご覧いただけます

ログインはこちら
もっと見る