パワフルかつキレのある芸風や、世界大会にも出場するほどの社交ダンスの実力で一躍人気者になったお笑い芸人のキンタロー。さん。2020年1月に長女を出産し、仕事と育児で忙しい日々を過ごしています。毎日の子育ての様子や、育児で心がけていることなどについて聞きました。

育児の「~しなきゃダメ」に疲れたら

 こんにちは!お笑いタレントのキンタロー。です。2020年の1月に第1子の娘(「ちびキン」)が生まれ、早いもので1歳になりました。働くママとして、どうやって娘と向き合えばいいのか、自分自身も模索をしながら、コミュニケーションを取っている毎日です。

 子育てに関しては人それぞれ意見がありますし、「こうしなきゃダメ」という思い込みにとらわれてしまいがちなので、完璧にやろうとするとキリがないと思います。私は表に出るお仕事をさせていただいているので、本当に色々な意見をいただきますし、育児書を送ってくれた方もいました。でも周りの意見に付き合っていると辛くなってきて「自分がダメになってしまう」と思ったので、「全部を受け取るのをやめよう」と思うようになりました。

お笑いタレントのキンタロー。さん。「自分の得意な部分を生かして、私なりの子育てをしようと思っています」
お笑いタレントのキンタロー。さん。「自分の得意な部分を生かして、私なりの子育てをしようと思っています」

 今は、「自分の得意な部分を生かして、私なりの子育てをしよう」と思っています。私は学生時代から社交ダンスをやっていたこともあり、体を動かす表現が得意です。家で娘と遊ぶときは大体、まず音楽をつけて一緒に踊ります。あとは、絵本を読むときは自分なりに工夫して読んでいます。最近では、松谷みよ子さんの『いないいないばあ』をよく読んでいまして、本には載っていない言葉を自分で付け足して「くまさんが出てきたよ!うわー!」と言ってみたり、動物の鳴き声を加えてみたり。そうすると、「私、なかなか楽しい育児ができているんじゃないかな?」と自分に少し自信が持てたりするんです。何が得意かはお母さんそれぞれ違いますが、得意なことを生かせば、楽しめるのではないかなと思います。

 逆に、私が苦手なのは掃除です。昔からどうしてもうまく片付けができません。家が散らかってどうしようもない時は、プロの清掃業者の方に掃除をお願いすることもあります。すべて自分でやろうとはせず、不得意な部分は人に頼るようにしています

娘に口の動きがはっきり分かるようにしゃべる

 新型コロナの感染防止対策で、外に出るとほとんどの人がマスクを付けていますし、付けなければいけない世の中になりました。1歳の娘は生まれた時から、目にする大人たちがほぼ全員マスクを付けていることになります。以前、どこかで「マスク育児で赤ちゃんが人の表情や口の動きを目にする機会が少なくなっているので、言葉の発達に影響する可能性がある」と書いてあるのを読みました。確かにそういう影響があるかもしれない……と不安に思い、それ以来は家で娘に話しかける時は口の動きがはっきり分かるように表情を付けて、多少オーバーアクションでしゃべるように意識しています。もう、表情筋フル活用です。

 そんな私の大げさな表情は娘には面白いようで、よく笑ったりまねをしたりしてくれます。でも、それがあまりよくない方向に働く場面もありますね。最近よちよち歩きを始めた娘に、触ってはいけないものを教えるのに「こーら!ダメよ!」と大げさな表情を付けて言うと、私の顔を見てケラケラ笑って、まったく響いている様子がありません(笑)。遊んでもらっているように感じているのかも……。

 私はどうしても娘に甘くしてしまうのですが、夫はビシッと厳しく注意するので、娘は夫のスマホや持ち物には触ろうとしません。1歳の子が人を見て判断するのにビックリしているのですが、夫婦で役割分担ができているのかもしれません。