コロナ禍で子育て世帯の生活も大きく変わりました。第2波・第3波も警戒される中、私たちはこの経験をどう生かせばいいでしょうか。日経DUAL編集部では、2020年5月27日から6月9日まで「Withコロナ 共働きの生活の変化」についてアンケートを実施、400件(女性360人、男性40人)の回答が寄せられました。家族関係の変化について紹介した前編に続き、後編では、働き方や今後の社会の動きについて、読者の意見や予測を紹介します。

仕事と自宅保育の両立の難しさを痛感

 新型コロナウイルスによる外出自粛や休校・休園で、多くの共働き家庭が、「子どもの面倒を見ながらのテレワーク」という難しい働き方を余儀なくされました。緊急事態宣言が解かれた直後に実施した日経DUALのアンケートでは「働き方が変わったことで、今のあなたの心の状態はどれに近いですか?」という質問に対し、多かったのが「疲れ気味だ」(57%)、「ストレスがたまっている」(47%)という回答でした。

 「『コロナ前』と今を比較して、仕事の労働時間・ストレスはどう変わりましたか?」という問いには、労働時間は「変わらない」(37%)という回答が最も多かったのに対し、ストレスは「増えている」(44.8%)が最多となりました。

n=400
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 ストレスが増えている理由としては、「在宅勤務と自宅保育の両立が難しいのに職場の配慮がない」(37歳/金融/総務・人事/年少と小4のママ)、「妻は出勤なので、子ども2人をワンオペ育児しながら仕事していましたが、従来と変わらないパフォーマンスを出すのは正直無理。日中は最低限急ぎのことだけさばき、まとまった時間が必要な作業は家族全員が寝静まってからが本番。睡眠不足が慢性化+深刻化しています」(51歳/教育/0歳と年中のパパ)など、自宅保育との両立の難しさを訴える声が多く上がりました。

 また「コミュニケーションが取りづらく、メールのやり取りに時間を費やしてしまう」(37歳/教育/総務・人事/年少と小1のママ)、「出社している社員とそうでない社員とで情報格差が生じていると感じる」(28歳/商業/財務・経理)、「以前なら仕事がひと段落した際に、同僚とちょっとした雑談などで喜び・楽しみを共有していたが、今は難しい」(37歳/電気/研究・開発/1歳と年少のパパ)など、テレワークでは社内のコミュニケーションが難しいという声もありました。

 さらに通勤がなくなったことで「業務時間とそれ以外の時間の差別化がなくなってきている」(51歳/マスコミ/広報・宣伝/小5のママ)、「在宅ワークで遅い時間のミーティングが断りにくい」(40歳/商業/専門職/年中と小2のママ)など、勤務時間とプライベートの区切りが難しくなったという指摘もあります。

 勤め先の姿勢や雇用自体に不安を感じるという意見も。「会社のトップの危機管理意識の低さを認識し、この会社で働き続けることができるかとても不安」(38歳/教育/一般事務/年長のママ)、「旅館業を営んでおり、以前のように予約が戻ってくるか不安」(48歳/宿泊/経営者/小1のママ)、「来期のボーナスが下がる可能性が高いので、心配している」(43歳/金融/営業/年中と小5のパパ)などの声がありました。