ウィズコロナ時代のアンガーマネジメントとは

 通勤や通学が徐々に再開しつつありますが、「今まで通りの生活」を期待すると、それがかなわなかったときにストレスになってしまいます。「何が起こってもおかしくない」「また状況が変わるかもしれない」くらいの気持ちで、さまざまな制限があることをある程度覚悟し、心構えをしておきましょう。

 新型コロナの影響下のアンガーマネジメントとして、備えておいてほしいことが2つあります。

 1つは、家族の中で「イライラや怒りにつながりやすいパターン」を共有しておくことです。「これだけは守ってほしい」ことをお互いに伝えて、ルールを作りましょう。例えば「9時までには布団に入ろうね」「食器洗いは寝る前までにはやっておいてね」などです。お互いに守ってもらいたいことを明確にすれば、自分も相手も、怒りに振り回されるのを防ぐことができます。

 2つ目は、親子で共同作業をする時間をつくることです。例えば料理や工作などで、うれしい・楽しいという感情を、子どもと共有してほしいんです。その体験が親子の信頼関係につながっていきます。週末だけでもいいので、できる範囲で時間をつくってみてください。理不尽に怒ってしまうことがあっても、その時間でつくった信頼関係があれば、お互いの気持ちをカバーすることができます。 

 現在の私たちが置かれている状況で、ストレスを感じない人はいません。「ストレスがたまるくらい、私は毎日一生懸命なんだな」と捉えて、自分を受け入れながら過ごせるといいですね。


小尻美奈アンガーマネジメントコンサルタント
小尻美奈 幼稚園教諭、保育専門学校、院内保育士などを経て現職。東京都杉並区で子育て支援事業者として講座を開催しているほか、学校、省庁、企業などで研修・講演を行う。「日本アンガーマネジメント協会」のトレーニングプロフェッショナルとして指導者の育成にも携わる。小6と中2の2児のママでもある。著書に『子育てのイライラスッキリ解消!ママのアンガーマネジメント』(合同出版・共著)。