今だからこそ子どもとやってほしいこと

 テレワークや登園自粛は、今後も続いていくかもしれません。そんな状況だからこそ、子どもとやってみてほしいことがあります。

 1つは、子どもと対話する時間を作ることです。寝る前に、3分でもいいので、子どもと話をする時間を作ってみてください。ポイントは子どもに質問をするのではなく「親が自分の話をする」こと。「対話」とは本来「お互いに話をすること」ですから、子どもに聞いてばかりにならないで、自分の話をするのです。

 まずは親が「今日はママ、お仕事が進まなくて困っちゃった」「あなたが健康でうれしいな」など、自分の気持ちを話してみましょう。そして、子どもからどんな言葉が返ってくるか待ちます。子どもに言ってほしい答えを親が先回りして言うのではなく、子ども自身に考えさせるのです。すると、子ども自身も、自分の気持ちを話す大切さに気づいてくれるでしょう。

寝る前のわずかでも、子どもと過ごせる時間を大事にしよう
寝る前のわずかでも、子どもと過ごせる時間を大事にしよう

 もう1つは、子どもと遊ぶ時間ではその子が好きなことを見つけてあげてほしいということです。私は「子どもの好きなこと」を「快動」という造語で呼んでいます。1歳なら1つ、2歳なら2つと、年齢と同じ数だけ「快動」があり、その子のアイデンティティーの芽となるものが遊びの中に出てくるんです。

 例えばブロックが好きなら、ブロックを使っていつもと違うものを作ることを提案してあげるなど、好きなことを追求する手助けをしてあげてください。そして、できたら思い切りほめてあげましょう。「興味があることを、調べたり探求したりするのはいいことだ」という方程式を幼児期にインプットすることができれば、小学生以降になっても、自主的に調べて学ぶという思考や意欲がわきやすくなります。

 保育園ママ・パパは、普段は子どもと過ごす時間があまりありませんよね。通勤再開後も、仕事と家事・子育てで手いっぱいかもしれませんが、無理をしないで周囲の手を借りつつ、子どもとの時間を大切に過ごしてほしいと思います。

取材/日経DUAL編集部 文/都田ミツコ イメージカット/PIXTA