通勤が再開しても、いきなりギアをフルで入れない

 久しぶりの保育園の登園再開で、子どもの気持ちが不安定になることも想定されます(詳しくは後編で紹介)。そして、子どもの気持ちを安定させるためには、まずは大人の気持ちを安定させる必要があります。登園や通勤が再開し、気持ちの切り替えに時間がかかるのは、順応性の高い子どもたちよりも、もしかしたら親のほうかもしれません。

 だから通勤が再開しても、いきなり仕事のギアをフルで入れないようにしましょう。育休明けに慣らし保育をしながら仕事に復帰していったような気持ちで、徐々に仕事量を戻し、ペースをつかむのがいいと思います。

 そのためには、上司に今の状況を説明して、自分がどうしたいかを伝えることが大切です。何も言わずに理解してもらうことは難しいですから。「うちの上司は子育てに理解がないから、言っても無駄」という気持ちがあるかもしれませんが、それはいったん脇に置いて、まずは要望を伝えてみることから始めてみましょう。

 DUAL世代のママ・パパには、管理職として働いている人もいると思います。仕事の遅れを取り戻したい、部下のケアもしたい、子どもの面倒も見なければ……という気持ちで、いっぱいいっぱいになっていませんか? けれど、一人で無理をしないでください。

自分一人で抱え込まないで
自分一人で抱え込まないで

 私自身、会社を経営していますが、これを機にリモート勤務を拡大するなど、さまざまなことを変えていかなければならないと思っています。今は社会全体が変わる大きな節目で、いつ感染の第2波が起こるかも分からない状況。遅れた分を個々の努力だけで取り戻すのは限界があります。上司と調整して今後の計画を練り直す必要があるのではないでしょうか。新型コロナは社会全体の問題ですから「自分一人で抱えられるレベルの話ではない」と考えて、周囲の力を上手に借りて重荷を早めに下ろすことも考えてみてはいかがでしょう。